カメラによって写真の色が違う。そんな悩みはColorChecker Passportで解決
同じ被写体を撮っているのに、カメラによって写真の色がずいぶん違うことがある。機種による違いはもちろん、メーカーによって色や階調が大きく違ったり。
それは、メーカーごとに色の思想が違うから当たり前のことで、優劣というより個性の違いだ。だから、カメラを選ぶときは発色が気に入るかどうかを基準にするフォトグラファーが多いと思う。
ぼくはどちらかというと操作性が自分に合っているかどうかを基準にカメラを選んでいる。一眼レフのニコンD7100もミラーレスカメラのパナソニックGX7も、どちらも操作性が気に入っているカメラだ。
しかし色の出方はそれぞれかなり違う。
Nikon D7100とPanasonic GX7を、それぞれ画像設定をスタンダード、WBを5200kに設定してJPEG撮影するとこんな色調になる。
ずいぶん色が違うねー。
ぱっと見はPanasonic GX7の方が情緒があっていい感じかな。パナの青はちょっとMに寄っていて、深みがあっていい青だ。なかなかヤルね。それに対してニコンの青は、その場の色を比較的正確に写していて目で見た印象に近い。。
どっちがいいかは好みや用途の問題だが、2機種間であまりにも色が違うとかなり困ることがある。例えば人物のインタビュー写真を2機種で撮って、それぞれの顔の色がぜんぜん違っていたらかなーりマズイ。
そういうときは、カラーマネージメントツールとしてフォトグラファー必携のX-Rite社のColorChecker Passportを使うといい。12000円ぐらいするカラーチャートなんだけど、Adobe Lightroomと連携して簡単に機種ごとのプロファイルを作ることができる。
ぼくは、作業室の色評価用蛍光灯の下にColorChecker Passportを置き、そこで撮影したRAWファイルをLightroomに読み込んでプロファイルを作成している。そしてそれを日中のスナップ撮影用の初期設定プロファイルとしている。
プロファイルは分かりやすい名前をつける。
こうしておけば、D7100、GX7、あるいは他のカメラのRAWファイルを読み込むときにそれぞれ自動的に機種ごとのプロファイルがあてられる。
ぼくはこのプロファイルを標準として、そのほかにライトボックスのプロファイル、アンブレラのプロファイルなどを作っている。もちろん撮影現場の環境ごとに色の出方は変わるから、より正確に発色を整えたいときは現場で撮影前にColorChecker Passportを1回撮影しておくといいだろう。プロはみんなやってる(みんなやってるわけないか。必要な人はやっているみたい)。ぼくは、いちいち現場でColorChecker Passportを撮影することはまずない。正確な色再現を求められる仕事をしていないんで。
ColorChecker Passportについて、詳しくはこのサイトをよく読んでください。
で、D7100とGX7のプロファイルをあててLRでRAW現像するとこうなった。
ほぼ色が一致した。
取材写真なら誰も気にならない程度にまで色がそろったと思う。
ただしこの色がいいかどうかはまた別の問題。この写真の場合は、どっちかというとパナソニックGX7の機種オリジナルの発色がよかったなあ。色調をどう整えるかは一筋縄ではいかない。
ColorChecker Passportは、これから適宜調整するための土台作りを手軽にできるという点が便利なのだ。そんなワケで、複数のメーカーのカメラを同時に使うぼくには欠かせない品なのであった。
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