バリ島に来たら見逃せない、深夜の霊劇チャロナラン

バリ島

ウブド東郊の古刹プナタランサシ寺が50年に一度の大祭中。夜に霊劇チャロナランが行われたので行ってきた。

チャロナランは夜に始まるんだけど、正確な開始時刻は分からない。ある村人は「8時に始まる」と言っていたが、別の人は「まあ10時過ぎだね」という。そこでデヴィシタ通りのイタリア料理店チッタでバリの正装を着たままピッツァをつまんで時間をつぶし、それからハノマン通りのガヤでアイスを食べてからバイクを飛ばして、プナタランサシ寺に9時半に到着した。
そしたら寺院前はほとんど誰もいなかった…..。

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ちょっと早すぎた。とはいえ10時過ぎには寺院前で僧侶のお清めが始まり、村人たちが徐々に集まってきた。

「劇の開始」時刻が僧侶のお清めが始まる時刻だとすると、すでに劇は始まっていることになる。チャロナランは霊が飛び交う劇だから、ぼくの目には見えなくてもすでに始まっているのだ!

でも目に見えなければ写真にも撮れないから、3台のカメラを赤いカーペットに上に並べてひたすら黙って座って待つフォトグラファーであった。

聖なるバロンのお出まし

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そのうちガムランの旋律とともに聖なるバロンが登場。

この夜はバロンが3体いらしたので、交替でそれぞれが踊ったためバロンの獅子舞をみているだけで1時間以上かかった。獅子舞と一体化する旋律を奏でる少年ガムラン隊がみんなバロンの動きを一心に見ている。

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バロンの獅子舞が終わると仮面劇が始まる。バロンダンスを見たことがある人は知ってるだろうけど、チャロナラン劇は古のクディリ王国の御家騒動がベースになっている。

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王国のチャロナラン妃が、悪の霊力をもつ魔女ランダに変身して、王国を滅ぼそうとするのが霊劇チャロナラン物語。詳細は長いから省く。

魔女ランダ登場

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ちょうど0時を過ぎて登場したランダはなんど見ても迫力がある。

昔は劇の照明が薄暗かったから闇夜から登場するランダはけっこう怖かった。バリ人の子供が本気で泣いていることもあった。けれども昨今は照明が明るくて、恐怖度は下がったな。おかげで写真を撮りやすいけど。

じゃじゃーん!
続いて聖なるバロン登場。

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善と悪との戦いが始まる。

王国を滅ぼそうとする魔女ランダに村の男たちも剣を持って果敢に挑む。

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今夜のチャロナラン劇は、大きな寺院の大祭だから、剣を握りしめた男たちもかっこいいというか精悍だ。これがツーリスト向けのバロンダンスだと、小太りの男とか、禿げた男とかが剣を握っていてぜんぜん強そうじゃないことがある。でも今夜は違うぞ。やはり寺院祭の劇は本気でやっているから見応えがある。そして写真の撮り甲斐もあるというものだ。

ここまでが深夜1時。

このあとは狂言回しがあり、皆で墓場へ行ってランダが再び登場して….と続くんだけど最後まで見ていたら明け方までかかってキツイからそろそろ帰ることにする。ペジェンからプネスタナンの宿まで深夜で空いているからバイクで16分ぐらい。

霊劇チャロナランは途中で帰ると悪霊が追いかけてくるから振り返ってはいけないとされている。お寺からずっと後ろを見ずに走って宿の部屋に着いた。ドアの前でぼくを待っていたのは宿の番犬シロ。ぼくと一緒に部屋に入ってきたのは悪霊からぼくを守ろうとしているのだろうか?

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Posted by ariga masahiro