「すしざんまい」から利益をかすめとる「NAVERまとめ」は文化の海賊だ
ハーバービジネスオンラインの「すしざんまいの社長がひとりでソマリア沖海賊を退治した」という記事がネット上で反響を呼んでいる。
「ひとりで海賊を退治した」という部分に関しては、ソマリアに詳しいノンフィクション作家の高野秀行さんが自身のブログで明確に否定した。良記事にもかかわらず大げさな釣りタイトルをつけて、味噌をつけてしまった。
アクセス数をかすめとる「NAVERまとめ」
このインタビュー記事は、内容はとてもよい。
ハーバービジネスオンラインの記者は1月12日にすしざんまいの木村社長を尋ねてインタビューをしている。そして記事は2回にわけてアップされている。ソマリア沖海賊に話題が振られたのは1月18日の記事「すしざんまい社長が語る「築地市場移転問題」と「ソマリア海賊問題」。だ
おそらく、社長のアポは前年のうちにとったことだろう。つまりこの記事は、企画から発表まで1ヶ月の時間をかけて制作されている。
しかし、あろうことかアップされた数日後には早くもNAVERにパクリまとめ記事が掲載された。元の記事を適当にバラして再構成するだけだからまとめを作るのは簡単だ。NAVERのライターはこのまとめ記事を10分で作ったことだろう。なんの労力もいらない。
ぼくのまわりの人たちに聞いたところ、話題沸騰した「すしざんまい社長の武勇伝」はFBのタイムラインに流れてきたNAVERの記事で読んでいる。しかし、オリジナルのハーバービジネスの記事は誰も読んでいないし存在も知らないということだった。
そこで、確認のためにNAVERの当該ページにアクセスしてみた。これもNAVERのアクセスに数えられちまうから本当はイヤなんだけど、仕方がない。その結果は…
1月22日18時現在、
- NAVERに いいね! している人は6.4万人
- ハーバービジネスに いいね! している人は2.5万人
というわけで、NAVERまとめの勝ち!!
・・・・・・・そんなことでいいのか?
記事を書いたのはハーバービジネスなのに
ハーバービジネスさんは社長の元にインタビューにいき、時間をかけて企画を進め記事を書いた。やっとこ記事をアップしたら、すぐにNAVERにパクられてしまった。そしてアクセスはNAVERに集まる。NAVERの記事はすでに75万アクセスがある。これは、本来はハーバービジネスさんが稼ぐべきアクセス数の筈だ。
大概の人はNAVERでまとめを読んだら、あえて記事元まで読みに行かないだろう。その結果、元記事は読まれない。
あーあ、ハーバーさん、かわいそうにヽ(´ー`)ノ
いやいや、人ごとじゃないよ。ぼくも同じような目にあっているからね。
ぼくだけじゃない、NAVERにパクられて怒!という記事はネット上たくさんあるから検索して読んでください。
人が時間をかけて作り上げた記事を、あっという間にパクってしまうシステムを作り上げたNAVERは文化的な海賊だ。クリエイターが得られるべき利益、満足感、充実感、アクセス数、そうしたものをNAVERはすべて奪っていく。
パクリで成りたつ諸々のキュレーションサイトは本当にひどいメディアだ。ハーバービジネスさんもNAVERの被害者。真の悪はNAVERまとめだ。
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