プロカメラマンはどんな写真でも撮れるんですよね【それは誤解です】

撮影機材,雑記

今日は行きつけのヘアサロンで髪を切ってもらいました。担当してくれたのは30過ぎぐらいの男性。初めてだったので雑談をしながら軽く自己紹介します。

「ぼくはプロのカメラマンで、旅をしながら写真を撮るのが仕事です」みたいな感じ。

それに続く会話では、いつも同じことを聞かれます。
「風景写真をよく撮るんですか」
「グラビアの撮影後に水着の女の子と仲良くなって遊びにいったりしますか」
「戦場へは行くのは危ないから止めた方がいいですよ」
「今はカメラの性能がいいから誰でも簡単にとれるんじゃないですか。篠山紀信なんか今も仕事があるんでしょうか」
というのが展開が多いです。

一般の男性がプロのカメラマンということばから思い浮かべるのは「風景」「グラビア」「戦場カメラマン」「篠山紀信」が、ぜんぶなんでしょうかねー。あとはスポーツに話が進むこともありますけど。

01

どうも、一般の人(プロのカメラマンと仕事をしたことがない人)は、プロならどんな写真でも撮れると思っているみたいですな。

グアム島でビキニの巨乳女子を撮って、その次はシリアへイスラム国の取材に出発し、その後はオリンピックの長距離走の決勝を撮影する、というハチャメチャなスケジュールのカメラマンはいません。

「プロのカメラマン」にはいろんな専門分野があるんです。ちょっと考えただけでも

・広告
・報道
・建築
・料理
・スポーツ
・ファッション
・学校行事
・ウェディング
・水中

といろいろありますね。女の子を撮っている人はだいたいいつも女の子を撮っているし、スポーツを撮っている人はいつもスポーツを撮っています。それも同じ競技を撮っています。

撮影分野が違うと仕事のやり方が違います。その世界の作法が分からないので、素人と大差ないこともあります。スポーツでいえば、柔道の世界的選手が、シンクロナイズドスイミングでもフットボールでも、どんな競技でもプロとしてこなせるってことはないですよね。

もちろん、スポーツ選手でも複数の競技でメダルを取る人がいるように、カメラマンでもいくつかの分野をこなす人もいます。だいたい出版系のカメラマンはなんでも撮れるものだし。でも、守備範囲が広くても得意分野はある程度定まっているものです。とくにフリーランスなら。

ぼくは割となんでも撮影します。料理、建築、スナップとか。でも水着の女の子や、オリンピックの撮影の仕事は来ません。残念ながら。戦場に行ったこともありません。いろんな仕事をしてみたいなーと思いますが、今の旅するスタイルをけっこう気に入っています。

そうそう、よく話題になる「風景写真」という分野のプロは実はあまりいません。写真雑誌に風景写真のプロがよく登場するから、あたかもプロの主流みたいに思われているようですが、風景写真の需要は実は少ないからプロとして活躍する人も非常に少ないんですよ。

Sponsored Links