ケハン寺の大祭が終わるとともに豪雨がはじまった。雨止めの効果に驚く
ケハン寺(クヘン寺)の3年に一度の大祭は昨日で終わった。
今日は、大祭のために集まった神々が村へお帰りになる日。
村人が正装をして神さまを迎えに行く姿をみかける。プンリプランからケハン寺への道路でも、村人がぎっしり乗った車が何台も走っていた。
朝8時、ケハン寺の前は村人たちでいっぱいだった。
神さまがまもなく階段を降りてくる。
境内はお迎えの女性たちが待機している。
鈴(りん)を鳴らす音が聞こえる。
朝の光が気持ちいい。
大祭にあつまった24の村の神さまが、この朝、村に帰る。お供えを頭に乗せた女性たちが神さまの還列を先導する。
24の村から集まっているだけあって、お供えの女性たちの列もいつまでも続いている。この神々しい雰囲気に惹かれてバリ島にリピートする人がいる。
ぼくもそのひとりで、神々に会いにここへ来たのだった。
空は青く、朝の光が肌に熱い。
すでに雨季に入っているというのに雨が降らず、写真撮影には好天に恵まれている。ぼくがバリ島に滞在しているあいだに雨は小雨が2〜3回あったくらい。フォトグラファーにとって都合がいいのだが、神さまと村人にとっても式典がとどこおりなく進むから天気は晴れている方がいい。
もっとも、本来は雨が降る時期なのにぜんぜん降らないということは、農作物などにいろいろ影響があるからいいことではないんだけど。
階段を降りてきた神さまは楽隊とともに歩いて村へ帰っていく。
歩いているのは村人で、神さまは御輿に乗っていらっしゃるんだけど。かつてはどの村の人もケハン寺に歩いて参拝していたが、現代では数百メートル先に待たせてある車に乗って帰る。神さまも車で送迎される時代なのだなあ。
10時半頃に最後の村の儀式が終わった。
最後の村人たちはギヤニャール県のパヤンガンから来ていた。バンリ県から離れた村の人も参加しているのだね。
魔女ランダと聖なるバロンが門をでた。
すべての神さまがお帰りになると、ほとんど誰もいない境内は静かなものだった。さて、ぼくもプンリプランに帰ろう。
空模様はいつの間にか曇天になり、車に乗ったところでフロントガラスにポツポツと雨があたりはじめた。大祭が終わったところで雨止めの効果も終わったようだ。バリ島では、寺院の大祭の時は僧侶が雨止めをする。ウブドのグヌンルバ寺のオダランもちょうど同じ頃に終わっているはずだから、各地の雨止めの効力がいっせいに切れたのだろうね。
プンリプランまで車を走らせる10分のあいだに、小雨は大雨になり、やがて雷雨に変わった。
ぼくがヴィラに駆けこんだとき、空に稲妻が走り、2秒ほどおいて雷鳴が轟いた。あわててカメラを身体から離し、机の上のパソコンの電源を抜いた。
雨音が激しい。雷光がひらめくたびに雷鳴が近くなり、とうとう光と同時に音がするようになった。ヴィラの上空に雷神がいる。
祭りが終わって雨が降り、ぼくのバンリ滞在も終わろうとしている。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません