写真がきれいに写らない? それはカメラまかせで撮影してるからだよ
羽田から広州へ飛ぶ五時間半というもの、窓の外の景色はいつも同じだった。視界の下半分を覆う白い雲。この様子では関東はこれからしばらく晴天を拝めないかもしれない。
しかし、成層圏にいるだけあって空は蒼い。
ぼくはこの宇宙に近い、つきぬけるような空の色が好き。GX7でパチリ。
おや、どうしたことだろう。
色が黄色いぞ。このカメラは発色が悪いのかなあ。もっときれいに写るカメラがあればいいのに。
などと思うわけはない。色が濁っているのはカメラのWB(ホワイトバランス)がオートに設定されていたからだ。青空を撮ると、大概のカメラは黄色かマゼンタに色が転ぶ。
しかしこの写真のヒストグラムを見ると色のバランスがとてもいい。RGBがきれいに重なっている。
カメラは、「空が蒼い」ことを「色が青に偏っている」と判断して、自分なりによかれと補正したのだ。というのも、写っているのが「空」なのかどうか、カメラにはわからないから。
データ的にバランスはよくても、写真の色が濁っているのは確かだから、WBを変えることにする。ぼくはいつもマニュアルで5000kに設定している。するとこうなる。
空の色がきれいに蒼くなった。
実際の成層圏の色は、色温度がさらに高いから5000kより低いほうがより蒼くなる。ヒストグラムはこんなかんじ。
写真を撮るときにWBを自分で決めることは、とても重要なことだ。
もしオートで撮影するなら、それは言い換えれば色のコントロール権をカメラ任せにしているということ。そしてカメラは、あなたが何を撮影しているかはわからないでWBを決めている。だから当たることもあれば、大きく外れることもある。
使っているカメラが「きれいに写らないなあ」「もっときれいに写らないかなあ」と思ったらWBを自分で決めてみよう。
上の写真は「とって出し」なんでこのままではブログに載せられないから、二枚目の写真にコントラストをつけて簡単に手を入れた。広州白雲空港の薄暗い電灯色のラウンジでの作業だから手探りの作業なんだけど。
写真のよしあしは、露出・ピント・ホワイトバランスの3つで決まる。これは昔から変わらない。
どのくらい昔かというと、第二次世界大戦前からだ(カラーフィルムは戦前にもあった。カラー映画も作成されている)。技術が飛躍的進んだ21世紀であっても、最終的な露出決定は自分でしよう。
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