長江を眺めて
江西省の九江という、長江に面した町に来た。
大河を往来する船を眺めていると、「コンニチハ」という声がして振り向いた。そこにはユデタコのように頭がはげ上がった、ランニング姿のおじさんが立っていた。
続けて「中国と日本の人民は仲良くしましょう」と中国語で言うと、タバコの箱を指でトンとつついて、一本勧めてくれた。中国の年寄りのこういうところには敵わない。たしか司馬遼太郎もどこかで中国の老人に煙草を勧められて「敵わない」と書いていたな。
彼が知っている日本語は「コンニチハ」だけのようだが、気持ちは伝わってくる。タバコを吸わないので断ったが、できれば一緒に吸いたかったな。
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