バスクの聖なる山、ラ リューヌ山頂へ
バスクの聖なる山、ラ リューヌ山頂へは、国鉄サンジャン ド リュズ駅前から市バスに乗って行ける。
始発バスで22分、プチトラン(ミニトレイン)のCol de Saint-lgnace駅に到着。ここからラ リューヌ山の頂上へ山岳鉄道が出発する。
国鉄駅前からの市バスはガラガラだったが、このプチトラン駅は激混していた。ほとんどのツーリストは車でここまで来るようだ。
プチトランはリューヌ山頂への観光用として1924年に敷設され、車両も施設も当時のまま変わらず運行されている。2月下旬〜11月下旬までは9時〜11時半、昼休みを挟んで14時〜16時半に45分置き程度の間隔で発車する。夏期は昼休みなし。冬期は運休する。
プチトランは出発してしばらくは森の中を走るが、やがてシダが群生する草原が始まる。
景色が開け、果てしなく続くピレネー山脈が大きく見えてくる。列車の速度は非常に遅く、ゴトゴト音だけ大きい時速8kmののんびりスピード。山頂までの4.2kmを35分かけて登りきる。
途中で対向列車とすれ違った。
サンジャン デ ルスの町並みの向こうに大西洋が広がっている。
標高が上がるにつれて、植物の背が低くなってくる。標高905mの山だから高地というほどではないが、風が強くて結構冷える。平地は熱波で37度もあって暑すぎたが山頂付近はやや肌寒いくらいだった。今の季節でもこうなのだから春秋に来たら大変寒いことだろう。
頂上には、フランスとスペインの国境を表す標識がいくつか置かれている。四角錐の記念碑みたいなのがそれ。
この写真では、奧の山小屋みたいな食堂はスペイン領に、左の石畳の道はフランス領にある。ちなみにプチトランの山頂駅もフランス側にある。
標高905mの標識が設置してある。
スペイン側がよく見える。右側の港町がオンダリビア、左側に小さく見える町がサン セバスティアン。
ラ リューヌ山頂に3軒ある山小屋風レストランはスペイン領に建っているにもかかわらず、いずれもフランス側を向いている。客のほとんどがフランス人だからだろうか。客はみなスペインの景色はあまり興味がないようで、ぼくのようにサンセバスティアン方向をじっと見ている人はほとんどいない。
ところで、ラ リューヌ山は “La" と定冠詞がついていてフランス語の地名のように聞こえるが、バスク語のラルン(牧草地)が語源になっている。今も羊が放牧されている。
山頂では、カップルや親子で来ている家族がサンドウィッチなど簡単なランチをほおばっている。
ぼくもスーパーで何か買ってくれば良かったけど、何も持ってこなかったから山頂のレストランでバゲットサンドを食べた。バゲットサンドのパンはスペイン風の味だったからスペインから運んできたのだろう。やっぱりここはスペイン領なのだなあ。
この道はスペインへ続く道。
あ、ここはスペインか。
などと思いつつ、フランスの山岳鉄道に乗ってラ リューヌ山から下山するのであった。
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