コダクローム調のプリンタ
ほかに、個展の間、多くよせられた質問は
「どうやってプリントしたのですか」
ぼくのプリンタはエプソンPM-4000PX。
自分でプリントしている。
PM-4000PXは、コダクロームのように落ち着いた上品な発色をする最高の写真画質のプリンタとしてエプソンが技術の粋を集めて2002年3月に発売した機種。中間色がなめらかなプリンタとして多くのプロやアマチュアから高い評価を受けた。ぼくはコダクロームで若い女性を撮影したときの、湿り気のある独特の肌の調子がたまらなく好きで、それが再現できる唯一のプリンタとして本機を愛用している。
そのコダクロームも2006年12月に国内販売が終了し、同じ頃にPM-4000PXも生産終了した。
ほぼ5年間発売されていた人気機種PM-4000PXの流れをくむ現行機種はPX-5V。外観がモダンになり印画速度は格段に早くなったが、画質はPM-4000PXがすでに高い完成度だったことから大きく向上しているわけではないし、何よりコダクローム調の発色をすることもない。
カメラボディほど気にされないが、プリンタは機種によって発色や表現力が大きく違う。だから自分の写真にあったプリンタを選ばないといつまでたっても気に入ったプリントは得られない。といってもいま顔料インクプリンタを選ぶならシックなPX-5Vかベルビア調のPX-7Vの2種類しかない。でもぼくはやっぱりコダクローム調のPM-4000PXが好き。だから10年前にリリースされた機種ではあるが、これからの10年間も続けて使うつもり。壊れなければ。
うちにPM-4000PXが2台あるのは、それぞれPhoto BlackとMat Black専用機種にしているため。いちいち黒インクを交換しなくても使い分けられる。
紙はA3ノビのエプソン純正の写真用紙絹目調を使った。
ぼくは光沢のある紙が好きではない。写真を見るときに照明が光沢に反射して写真が見づらくなるのが理由の一つ。そこでエプソンほかフジフィルムやピクトリコなど各社の絹目調用紙をプリントして比べたら、純正のエプソン写真用紙絹目調がいちばん階調がきれいだった。紙の色も白すぎず濃すぎず。やっぱりインクと紙が最適化されている純正同士の組み合わせが印画結果がよいものだと思った。
純正紙ならばきちんとしたICCプロファイルも用意されている。
ICCプロファイルはColormunkiのようなキャリブレータがあれば自分でも作れるから簡単なものと考えがちだが、実際にはメーカーが配布するICCプロファイルは途方もない予算が投じられて紙とインクの最適化を図って作られている。サードパーティーの紙メーカーが配布するプロファイルとは完成度がぜんぜん違うのだそうだ。
RAWからTIFFに現像するのは複数のソフトを使い分けている。
View NX2
Capture one pro 7
Silkypix pro
Adobe Photoshop CS6 Camera Raw
などを使った。
どのソフトのどのモードで現像するかで、写真の雰囲気がまるで違ってくる。
複数枚を現像して、イメージに近いものを選びPhotoshop CS6で調子を整えてプリントした。
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