カメラが欲しい病 その1
ぼくが普段使っているコンパクトカメラはふたつある。
Fujifilm F200EXR と、 Panasonic LX5 だ。
2009年3月に発売されたFujifilm F200EXRは、フジフィルムの歴代コンパクトカメラのなかで2番目に画質がよいとされる名機だ。新開発のEXR 撮像素子という抜群に性能が高い新型センサーによって発色は鮮やか、ダイナミックレンジ最大800%による幅広い階調表現で描写がなめらかと、並のコンパクトカメラとは次元の違う写真が撮れる。
なんてったってプロ用カラーフィルムを何十年も作ってきたフジフィルムの画像エンジンだから、写真力は高い。ニコンの一眼レフよりも情緒のある写真が撮れる(こともある)のだ。画質に関してはぼくは大変気に入っている。
F200EXR は、仕事仲間からは「えびちゃん」と呼ばれている。
2008年まで、フジフィルムのコンパクトカメラのイメージガールが蛯原友里だったから、フジのカメラを持つといえばえびちゃんのイメージが強かったので。F200EXR 発売と同時にイメージガールは柴咲コウに変わったから本機はえびちゃんとは関係ないんだけど、えびちゃんの親しみやすいキャラクターが好印象なのか、なんとなくそう呼ばれている。
F200EXRはさすがフジフィルムのカメラだけあって発色がよい写真が撮れる反面、動作が遅い。ズーミングに時間がかかるし、ピント合わせも時間がかかるし、レリーズボタンを押してから実際に写真が写るまでに大変長い時間がかかる。やっぱりえびちゃんともなるとメイクにそれだけの時間がかかるのだろう、と思って納得することにしている。
しかし、あまりにも動作が緩慢だからタイミングを逃して撮れなかったシーンが数知れずある。知られざる名作ばかり量産するカメラなのだ、F200EXRは。
そこで、キビキビ動いて画質がよいコンパクトカメラを探して、一昨年Panasonic LX5を購入した。
パナソニックが力を入れて作っているカメラだけあって、キビキビとした動作は気持ちがよい。電源スイッチはボタンではなくちゃんとメカニカルなスイッチになっていて、アナログ的な感覚を重視して設計していることが分かる。やっぱりカメラはこうじゃなくちゃね。
レンズはライカブランドだし、135換算で24-90mmの焦点距離は常用画角を適度にカバーしていて使いやすい。日中ならこれで撮れないものがほとんどない。
肝心の画質はどうかというと、JPEG撮影はコンパクトカメラらしい万人受けする明るい画調だが、RAW撮影すればCapture one やLightroomで現像できるからそれとは違う深みのある写真が撮れる。JPEGで撮ってもRAWで撮っても、レンズの質がよいこともあって、普段撮りなら充分な画質だ。
しかし、やはりフジのEXR撮像素子による幅広いダイナミックレンジの写真に比べると、どことなく物足りなく感じる。それに、Photoshopでいじると、F200EXRの写真はJPEGデータなのに、パナのRAWデータよりも耐性が高くて作業がやりやすい感じがする。さすがはフジフィルム。
そういえばS5proのJPEGも、ニコンやキヤノンのRAWより質が高いと言われているほどだから、ある意味では当然の結果かもしれない。Panasonic LX5を使えば使うほど、F200EXRを見直すこととなった。
そこで、F200EXRを持ち出すと、動作が遅いからタイミングを逃した写真しか撮れないのであった。これをジレンマといったらよいのか。F200EXRの画質とLX5の機動性を合わせ持つコンパクトカメラはないものだろうかと悩んでいたところへ、今月発売されたのがFujifilm XF1だ。
外観はクラシカルな雰囲気で、レンズ前面にFUJINONと文字が刻印されている。フジノンにはライカとは別のブランド力があって、大判カメラを使ったことがある人に訴求力が高い。新宿ヨドバシカメラに実物を見に行ったら大変よい感触だった。
焦点距離は135換算で25〜100mm域のズームレンズ。
撮像素子はEXRセンサー。
電源スイッチはコンパクトカメラにありがちなボタン式ではなく、レンズを引き上げるとオンになるというアナログ感覚あふれるカメラだ。しかもズーミングも手動。何がやりにくいってコンパクトカメラの電動ズームほどやりにくいものはないと思ってるぼくには嬉しい設計だ。たぶん同じように思ってる人は多いと思う。なんでコンパクトカメラのズームって電動式なんだろう?
イメージガールは真っ赤なドレスを着た真木よう子。シャープな真木よう子には、親しみやすいえびちゃんとは別のよさがある。カメラの話をしているのかイメージガールの話をしているのか分からないね。大河ドラマの龍馬伝で真木よう子が演じていたお龍は、もともと柴咲コウがあてられる予定だったと聞いたが、最近のフジフィルムはお龍のような個性的な女性をイメージしているのだろうか。そんな訳ないか。
それはともかく、ヨドバシでちょっと見た限り、XF1はこれまでのフジのコンパクトカメラとは一線を画すキビキビした動作をするようだ。
カメラが欲しい病、ぼくも感染しました。
Fujifilm XF1、ほしい!
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