大腸ガンで入院中だよ【その4】退院、気になる16日間入院の費用は
初日は流動食のみだった食事メニューも、日を重ねるごとに重湯→３分粥→５分粥→７分粥と、固形物が増え、日曜日には全粥となりました。つまり普通のお粥です。ネギも塩気もないのでやや物足りないですが、ようやく普通の食事が食べられるようになりました。
お粥・皮なし鶏肉・缶詰みかんなどの消化によい食事食事が普通になると、そのほかの環境も変わってきます。体の各所から合計４本も出ていた管が次々と外され、残すところ栄養補給のカロリー点滴１本のみとなりました。これで大変行動しやすくなりました！といっても行動範囲は病院の同じ階をぐるぐる歩くだけなんですが。
9日ぶりのシャワー
そして午後2時過ぎ、小走りにぼくのもとへきた看護婦さんに「有賀さん、シャワー解禁になりました。今から2時20分までシャワーを浴びられます。どうされますか？」と訊かれました。ずいぶん突然な話です。
「それだとあと10分ちょっとしかありませんが、もう少し延長できませんか」「できません。今日はこれが最後です。次に入れるのは明後日です。明後日にしますか？」「入ります。10分あれば十分です」ということとで、突然シャワーを浴びることができました。この病院のシャワー室は男女で1日ずつ交代なので、今日を逃すと次は翌々日になってしまうのです。
シャワー室の入り口には回転式の札がある栄養補給の管は取り外しできるので、これを止めればシャワーを浴びられます。9日ぶりのシャワーです。頭はガビガビでベトベト。ネパールのヒマラヤで何週間もトレッキングしてるとこんな感じの頭になるから、どこか旅先と通じる懐かしい感じもして、悪くないですね。
手術後数日間は、ベッドから動けないので、看護婦さんが何人かきてぼくの身体をおしぼりで拭いてくださってました。まったく介護老人になったかのようでした。その後は自分で拭いてましたが、やっぱりお湯で身体を流すとすごくさっぱりします。おしぼりはシャワーの代わりにはなりません。
全粥が食べられれば退院
医師によれば、全粥が食べられるようになれば退院できるということでした。ぼくは毎回食事は完食ですし、リハビリでの歩行も問題なくスタスタ歩けるし、お腹の傷もよくなって抜糸も順調にいったので、火曜日に退院できることになりました。
毎日、聴診器をぼくのお腹にあてて腸の音を聞いている看護婦さんが、すっかり腸が快調に動いていると言ってくださいました。
病院内はやや寒い
病室のエアコンは『27度に設定』と紙に書いて貼ってあるのですが、実際には26度か、ときに25度に設定されています。誰が設定を変えるのでしょうか。26度だとぼくには肩や踝が冷えて寒く感じます。
しかし看護婦さんには「ここ少し暑くないですか」と訊かれたりします。看護婦さんは若くてよく動いているから暑く感じるのかな。ぼくは病室で寝ているだけだから身体は冷えていて、ネパール製のショウルをときどき肩にかけていました。
気になる入院費はいくら
本日、9月12日に退院しました。
費用は、8月28日から本日までの入院費・手術費・薬代・食事など締めて33万6千490円をクレジットカードで支払い。3割負担なので保険なしだと100万円近いですね。
そのほか、7月〜8月までに大腸内視鏡検査・CTスキャンその他合計6万3千460円。
もうひとつ、ガンの全身検査のPET-CTスキャン2万9千210円。
これらを合計して42万9千160円でした。
ほかに、入院にあたって購入した物品も幾ばくかあります。半月という時間と45万円という金額はイタいですが、これで命が救かったのですからなんでもないです。しかし、もし３年前に大腸内視鏡検査をしていれば日帰り手術で済んだかもしれません。負担はずっと少なかった。早めに検査しておけばよかった….と思わないでもありません。
同時に、３年後に発見だったらどうなっていたか…と考えると空恐ろしいです。
というわけで、この記事を読んでいる方、40代になったら大腸内視鏡検査をしましょう！ 50代なら尚更です。腸には神経がないため初期の大腸癌は自覚症状がなく、末期になって痛みを感じた時には転移していて手遅れということが多いようです。
検査だけなら費用は5000円程度ですから、これで命が助かる（かも）と思えば安いものでしょう。ぼく自身も、入院するまでは大腸がんは人ごとのような感覚でいたので、いたく反省しております。
退院後も食事制限がある
腸を切ったので仕方がないですが、食事制限がけっこう厳しいです。退院後１ヶ月は、お米はお粥で食べて、白米は禁止です。
ラーメンやとんかつは４ヶ月間禁止なので、食べられるのは年が明けてから。果物はパイナップルもキウイも４ヶ月間禁止。繊維質が豊富なもの、脂っこいもの、辛いものはとにかくアウト。カレーも食べられません（インド人だったらどうなるのだろう？）。
そんなわけで、退院後も制約が多いので、入院しないことに越したことはありません。やはり早めの検査をお勧めします。