三年ぶりの海外渡航、羽田からトルコ航空でマドリードへ24時間の旅
三年ぶりに、国際線の飛行機に乗った。四日前のことになるが、羽田空港国際線ターミナルからトルコ航空でスペインへ向かったのであった。
夜の羽田空港第3ターミナルは混んでいた。トルコ航空のチェックインカウンターは長蛇の列ができていて、ぼくが並んでから、さらにJTBの団体が後ろについて前も後ろも長い列になった。東京都下の自宅から羽田空港までバスで1時間で到着するというのに、この列に1時間以上並んでようやくチェックインできた。
羽田の出国手続きはコロナ完全終了
スペインは昨年のうちに一切のコロナ関係の入国制限がなくなったので、羽田でのチェックインの際になんらかの証明書を求められることもなく、三年前と同じようにあっという間に搭乗券をもらって、手続きは終了した。
出国審査前の荷物検査は、しばらくこないうちに新しい検査機器が導入されていて、スムーズに通過できた。成田空港のそれは旧態依然としていて、係員の手際が悪いというか、レーンのつくり方が悪くて、手間がかかるものだったけど、あっちもリフォームして羽田みたいになるといいなあ。
搭乗もすんなりと進んだ。
トルコ航空TK199便の機内は満席だった。
機内でマスクをしている人は多くない。2割くらいか、3割もいないと思う。日本人はみなマスクをしていて、外国人もおもにお年寄りでちらほらといた。
羽田空港を定時に離陸したTK199便は、朝鮮半島を横切って、北京上空を飛んでいく。日本から欧州へ飛ぶのにこのルートを飛ぶのは、ぼくはたぶん初めてだ。今回、トルコ航空を選んだのは、切符の値段が安かったということに加えて、フライト時間が短いからだ。ロシアのウクライナ侵攻後、西側の航空会社がシベリア上空を飛べなくなって、なつかしい北回りや南回りの航路が復活した。
トルコ航空は、パキスタンやバングラデシュを経由するほど南に回ることなく、ヨーロッパへほぼ直線的に向かえる。羽田からイスタンブールまで13時間、その先イスタンブールからマドリードへ4時間。シベリア航路に比べてもそう時間がかからない。
切符が安かったといっても、3年前の2倍近い値段なんで、まだまだお高いですけどね。
機内食は、羽田を離陸して1時間後の夜0時すぎに軽食が配られる。ふだんならこの時刻に食事をすることはまずないが、わりとおいしくてぜんぶ食べてしまった。メインはサーモン。
機内ではだいたい寝ていた。といってぐっすりと眠れるわけはなく、ちょっとうとうとしては起きての繰り返し。からだのあちこちが痛くなる。夜行便のエコノミー席は眠くて本を読むこともできないし、といって熟睡もできないしで、つらい。
寝たり起きたりして7時間が過ぎると、TK199便はカスピ海からジョージア上空を通って黒海へ。黒海の北側ではロシアとウクライナが戦争をしていて、毎日800人以上のロシア兵が死ぬ激戦をしているが、南側のこちらはふつうに民間機が飛んでいて、平和でありがたいことです。
朝食は、フルーツとオムレツの定番メニュー。
夜行便は食事以外の楽しみがほとんどない。映画のセレクションはけっこう多いけれど、ねむくて見る気がおきないし。フルーツのジューシーな爽やかさが口に広がって、これが嬉しいかんじ。
イスタンブール空港に到着
イスタンブール空港は最近できた新しいターミナルだそうで、どこかバンコクのスワンナプーム国際空港を連想させる構造をしている。使い勝手の点からそういう設計になるのか、最近の空港は似ている気がする。
現地時間は朝6時だというのに、ハブ空港らしく混んでいた。もうコロナの制限はすっかり過去のものになっているのだなあ。マスクをしている人は100人に1人くらいしかいない。
曇天につつまれる地中海上空は
イスタンブールからスペインへは、ほぼ地中海の上を飛んでいく。イスタンブールは霧に包まれていたけど、その後もずっと厚い雲の上を飛んでいて、視界は上半分が青、下半分が白、2色しかないミニマルアートな景色で、地表はまったく見えない。
3時間以上もずっと真っ白な雲の上を飛んでいたのに、イベリア半島にさしかかると突然晴れてきた。バレンシア上空からスペインに入る。遠くにシエラネバダ山脈の白い山脈が見える。反対側にはピレネー山脈が見えたことだろう。
スペインは寒波が来てるらしくて、雪が残っているところも結構あった。マドリードの最低気温は連日マイナス5度で、けっこう寒そうだ。
あと3分でマドリードのバラハス空港に到着。それにしてもスペインの国土は平くて太陽によく照らされていて、自然発電に向いた土地ですなあ。風力発電のローターがずらりと丘の上に連なっているのが上空からもよく見える。太陽光パネルも並べやすそう。山がちで台風や土砂崩れが多い日本とはぜんぜん違う環境です。
ようやくマドリードのバラハス空港第1ターミナルに到着。イミグレの列が長くて1時間も並んでいた。入国審査そのものは以前と変わらず簡単で、パスポートを係官に見せれば「コンニチハ」とか言ってあっという間に入国印を押してくれて終了。ほかにはコロナ関係も含めて何もない。
イミグレを通過するのに1時間もかかったから、預け荷物を受け取るターンテーブルのレーンがちょうど止まるところだった。ざっと残りの荷物をみたらぼくのスーツケースがどこにもない! もしかしてロストバギッジか?と緊張したけれど、はじっこのほうの薄暗いところに黒いスーツケースが置かれているのを見つけてホッとした。第1ターミナルは昔っぽい建物だから、死角があちこちにあって分かりにくい建物だ。
ともあれ、無事にマドリードに到着した。家を出てからここまで24時間。けっこう長旅ですな。
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