ミラーレスカメラにC-PLフィルターは必要ない 普通の偏光フィルターを購入
PLフィルターを購入した。直径46mm。たったの724円。しかも送料込みだ。
ぼくはPLフィルター(偏光フィルター)をほとんど使わない。
面倒だから、というのが使わない理由だ。ふだん、ぼくは被写体がなんであっても横位置と縦位置の両方の構図で撮影している。
出版系のプロカメラマンは皆そうしていると思う。何十回もカメラの向きを変える度に、フードの奥に指を差しいれてフィルターの向きを90度変えるのが煩わしいのだ。
薄型の円偏光フィルターは指の引っ掛かりがあんまりよくないし、その状態でファインダーを見ながら偏光の様子を確認するのは忙しい取材中にやってらんない。フードを外せばその煩わしさはないが、順光と逆光とで向きによっていちいちフードを脱着するとしたら別の煩わしさが生じる。なんというか一言で「面倒だ」。
そして、デジタル写真なら後からそれっぽい雰囲気が後からつくれるから、その面倒さに耐える必然性が少なくなったことも理由のひとつ。
フィルム時代は1万5千円もする77mm径のニコン純正サーキュラーPLフィルター(円偏光フィルター)を必ず持ち歩いていたが、いつしか持ち出さなくなり、そのうち手元からPLフィルターがなくなっていた。
そんなぼくが、久しぶりにPLフィルターを使いたくなって、通販で物色した。するとサーキュラーじゃない普通のPLフィルターはほとんど生産終了しているみたいで、ケンコー製は見あたらず、マルミ製のが見つかった。
サーキュラーでない、普通のPLフィルターは46mm径がAmazonでたったの724円。安い! 58mm径でも1273円。72mm径でも1855円と大変お安い。この際だから径を変えて何枚か買ってしまった。
ミラーレスカメラならPLのサーキュラー機能は不要
PLフィルターは偏光フィルターともいって、光の表面反射を除く効果があり、ものが鮮明に写ることは誰でも知っていると思う。風景写真には欠かせないフィルターとも言われている。
が、なぜ普通のPLでなくてサーキュラーPLが必要なのかはあまり知られていない。
みんな、「普通のPLよりもサーキュラーPLの方が値段が高いから効果も高いのだろう」「普通のPLは安いからプアマンズフィルターなのだろう」となんとなく思っているのだと思う。
サーキュラーPLは一眼レフ用のフィルター
サーキュラーPLフィルターが登場したのは、1980年代の一眼レフカメラにハーフミラーが採用されたことに対応している。それ以前にC-PLフィルターは市場になかった。
簡単に言うと、普通のPLフィルターをAF一眼レフで使うと偏光効果でピントがズレることがあるから、位相差板を1枚はさんで、合焦機能を妨げないようにした製品がC-PLフィルターだ。
だからC-PLフィルターはAF一眼レフには必要だが、マニュアルフォーカスの一眼レフ(Nikon FM2やF2)には必要ない。だってそれらの一眼レフにはハーフミラーが採用されていないからね。マルミのPLフィルターのパッケージに「マニュアルフォーカスカメラ用」と書いてあるのはそういう訳だ。
ということは、ハーフミラーが採用されてないどころか完全ミラーレスのカメラにも、C-PLは必要ないということになる。しかもC-PLは位相差板がはさまってるぶん普通PLよりも偏光効果が劣るのだ。
という訳で、ミラーレスカメラ使いのぼくには高価なC-PLを使う理由がない。だから普通PLを買いたかったのだが、もはや市場に普通PLはほとんどなかった。メーカーも「実は普通のPLで十分なんですよ」ということは内緒にして、高い製品を売りたいだろうしね。
選択肢はほとんどないからマルミ製の普通PLをポチした。安かったというのも理由のひとつだ。
現在では、PLフィルターは進化と多機能化が進み、ケンコーのゼクロス薄型C-PLという製品は撥水コーティングや片面反射率0.3%を実現させて58mm径でなんと1万円もする。フィルター界のレクサスというかずいぶん高価格になったものだ。
あ、よく考えたら20年以上前に1万5千円のニコン純正PLフィルターを使ってたな。しかもあれは今からみたら単なるマルチコートだったっけ。あのころはそれが必要だった。でもフィルム時代と今ではPLフィルターに対するモチベーションが違うんだよな。
なお、マニュアルフォーカス一眼レフであってもオリンパスOM-4のようにハーフミラーを採用した機種がある。この場合は測光(露出)がズレるといわれている。そう言われているだけで本当かどうかは知らない。それからNikon F3は一見ハーフミラーだが実はピンホールミラーという高価な方式なので普通のPLフィルターが使える。
スナップカメラの最高峰GX7mk3に装着
さっそく取り付けてみた。
Panasonicには14-42mm/F3.5-5.6 II (換算28-84mm)という、たったの110gの軽量標準ズームレンズがある。コンパクトなのによく写るレンズで、いっとき1万円ぐらいで投げ売りされていたのでつい買ってしまった。
このレンズのフィルター径が46mmだから、マルミの格安PLフィルターを買ったのだ。
Panasonic Lumix GX7mk3 +換算28-84mmレンズの合計重量はたったの577g。ぼくの最近のメインカメラである。今年の夏はこれで街を歩くとしよう。
Panasonic GX7mk3は、コンパクトながらハンドリングがよく画質もよく、スナップカメラの最高峰だ(個人の感想です)。今春に生産終了してしまい、現在は流通在庫があるだけ。予備にもう1台買っておこうかと思案しているところ。普通PLフィルターもなくなる前にもう1枚買っておこうか。
ブログ内の関連記事
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません