【発端】写真の無断使用を発見! しかし問い合わせたら無視された
思わぬところで自分の写真をみつけた。その驚きは大きかった。
ある、スペイン専門の旅行代理店が、自社のウェブサイトにぼくが撮った写真を載せていた。写真の使用について問い合わせを受けた覚えはない。下がその画面キャプチャー。当ブログからの無断転載だ。
見つけたのは先週金曜日。すぐに同社サイトのお問い合わせのページから「著作権上問題があるので連絡を下さい」とソフトに書いて送った。すぐに「後ほど担当からご連絡差し上げます」という自動返信メールが来た。ちゃんとした会社のようだ。
けれどもその後、一向に電話でもメールでも連絡が来ない。
連絡はないが、今週水曜日には当該ページは削除され、トップページからのリンクボタンも削除された。自社に非があることは認識しているようだ。
親会社は岡山県岡山市の建設会社だった
この旅行会社をA社と呼ぼう。A社とは一体どんな会社なのだろう。
同社のウェブページによればスペイン旅行を手がける旅行会社で、岡山県岡山市の株式会社B社という土木建築会社の100%子会社であった。
A社の本店はスペインに、オフィスは東京の五反田にある。しかしA社とB社の社長が同一人物であることから事実上の本店は岡山県にあるようだ。
会社の評判や評価について詳細は分からないが「A社」の名前で法務省に登記された会社は国内にないことから「株式会社」はそう名乗っているだけなのかもしれない。これは会社法違反ではないか。
なぜなら日本国内で法人登記されていないものが株式会社を名乗ることは会社法で禁止されている。またA社の東京オフィスは「支社」でも「支店」でもなく「オフィス」だから単なる屋号である。
もうひとつ。旅行会社が日本国内で海外旅行業務をおこなうには観光庁長官の登録証が必要だ。しかし国土交通省に確認したところ、A社はこれを取得していない。そして旅行業法で定められる供託金も納めていないことが分かった。万一事故がおきたときの補償が心配になる。ぼくならこのような旅行会社は絶対に利用しない。
旅行会社A社を営む株式会社B社は、太陽光発電に力を入れて住宅建築も手がける資本金4000万円の建設会社ということだが、本業もこんな調子でやっているんだろうか。
職人の創作活動を軽視する会社のようだ
著作権というものは一般に軽く見られていて、こうして写真を気軽に無断転載されてしまうことがよくある。しかし、ぼくはこの写真を撮るためにわざわざスケジュールを調整してセビーリャを訪れたのだし、祭りの期間だから宿泊費も通常の何倍も支払い、経費もバッチリかかっている。気軽に無断転載する人たちはそこまで考えておらず、観光旅行のついでにパチパチ撮ってきた写真だという程度の認識なのだろう。
しかし、A社は旅行代理店なのだから、旅行を仕事とするぼくらの立場も考えてほしいものだ。
実は、著作権侵害は民事だけではなく刑事事件であり、警察に被害届をだせば逮捕されることもありうる。その上著作権法119条には「十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」と怖ろしいことが書いてある。併科だよ。窃盗罪に相当する、かなり重い事件なのである。
B社の社員が盗んだもの
で、ぼくのブログから小さな写真をコピーしたこの一件は、中学生がコンビニでお菓子を万引きをした程度の事件だろうか。
ポイントは、この会社は広告の客寄せツールとして写真を使ったこと。ということは例えば、B社の社員が客に配る販売促進物品をスーパーから盗んできたのと同じことだ。タダで仕入れて、いくばくかの利益を得ている。文字通り「盗用」だ。
「後ほど担当からご連絡差し上げます」というメールを受けとってからすでに一週間経つが、A社(B社)からは何の連絡もこない。さて、どうしたものだろうか?
社長と電話で直接話したが….
その後、B社社長宛に内容証明郵便を送ったがそれも無視された。
いったいどういう会社なんだろうか。B社は。
あきれた会社だ。仕方がないのでこちらから電話をして岡山県のB社社長と直接電話で話をした。すると社長は無断使用も著作権侵害も認めないどころか「私は忙しいんですよ」「有賀さんが当社を中傷するなら名誉毀損で訴訟する準備があります。それでもいいんですか」などと世迷いごとを並べるので話にならない
。著作権なんか知ったことではないという態度だ。「訴訟しますよ」といえばビビってあきらめるとでも考えているらしい。誠実さのない社長であることが残念だった。
仕方がないので、こちらから裁判所に提訴した。
つづきはこちら
裁判所に提訴してから完全勝利までの1年間を1ページにまとめました。
ディスカッション
コメント一覧
田舎の無教養な社長の典型ですね
判決が楽しみです^^
やんぐさん、こんにちは。
実は、このケースでは裁判は簡単に進んでいません。というのは、A社はスペインで設立された会社で、日本国内では法人ではないんです。それゆえに日本の法律の手続きで責任を追及するのが難しくて…..。会社概要には「問題が発生したらスペインの裁判所でのみ対応します」という意味のことが書かれています。今回はそれにひっかかっているんです。こんな方法で責任回避するとは狡猾な会社です。
この様子ではA社に旅行を申し込んで、事故や問題が発生しても「スペインに問合せをしてください」という対応をされることが間違いないでしょうから、怖ろしいことです。ぼくならこんな会社には絶対に旅行を申し込みません。
けれども弁護士に相談したらいい智慧を授けてくださったし、弁護士さんも「写真を無断使用してお金を払わない会社なんてひどい会社です。この件はすじを通してください!」と激励してくださったので、頑張ります!。
以前にこの会社で働いていたものです。
昔に営業課長がおよそ3000万円を横領しても気がついたのが一年以上後と。経理も杜撰です。
私が退職の時、営業車を見に行き飛石によりボディに付いた少しの傷も損害賠償してやるからな。と脅してくるようなやくざのような会社です。
私は即労基に訴えたので損害賠償はありませんでしたが。
嘘に塗り固められた経営及び営業スタイルの会社です。
勝訴判決が出ることを祈っています。
ゼストさん、こんばんは。コメントをありがとうございます。
さすがコンプライアンス軽視の社長が経営する会社だけのことはあって、経理も営業もずさんな内情なんですね。ゼストさんが退職されてB社と関わりがなくなってよかったと思います。ぼくはまだしらばらく関わらざるを得ません。全国の職人のためにも、日本の社会のためにも、巧妙に逃げ回るB社社長にきちんと対応していきます。
ご声援をありがとうございました。
嬉しいです。
B社社長です。 このブログを拝見しコメントいたします。
まずこの写真は弊社スペイン子会社A社という旅行会社のホームページで使用したことはまちがいありません。しかしながら担当のホームページ制作会社がインターネット上から無料画像として複数掲載されていた画像の中から添付したもので、決して盗む気などはありません。 指摘をいただき、すぐに、ホームページからの写真はとりあえず削除させました。その後有賀様から金銭要求がありましたが当方と見解が異なっていましたし、スペイン法人は別会社ですので、それに対しお答えをしていないのが現状です。
昨今インターネットを使った架空請求のような詐欺事件などもあり、有賀様の事もあまり存じ上げていないため、「写真を使っている、お金を払え」という請求に対しは慎重に見極めさせていただいております。
ゼストさんの厳しいコメントには驚きましたが、B社は素晴らしい社員と共にコンプライアンスを重視した健全経営をおこなっております。ご安心ください。
B社社長さん、久し振りです。
昨年5月に電話で話をしたときにはB社社長さんはすでに当記事をお読みくださっていましたが、一年後の今になってコメントをしてくださったのは、社内外でさぞ当ブログが話題になりやむにやまれずのことだと思います。
B社社長さん。当該写真の著作権者は私です。それは簡単に証明できます。裁判でも「誰が著作者か」は問題にされていません。私が著作権者であることを認めていないのはB社社長さん、あなただけです。
著作権者を前にして「架空請求の件もある」「金銭要求された」などとおっしゃるのは社会人しての常識に反します。仮に、当初はそう考えたにせよ、私からの問合せのメールにも、内容証明郵便も、一切無視してよい理由にはなりません。対話を通じて解決できる問題なのに、はじめから対話を拒否したのはあなたです。
コンプライアンスを意識した会社なら「著作権侵害をしています」という問合せに「すぐに調査します」と対応するものではないでしょうか。しかしながら、B社東京オフィスの方々も、社長さんも、「この写真は誰が撮ったものか分からないですからねえ」と繰り返すばかりした。あげくのはてにあなたは「有賀さんのしていることは当社への中傷です。訴訟しますがよろしいですね」とおっしゃいました。著作者に対して非常に失礼な対応だと受けとっています。
この件がB社内外で問題視されているのは、B社のコンプライアンス意識が低いことを反映したものです。当ブログに送られた元社員のコメントや、現社員のメールを読めばわかります。地方の中小建設会社の社長という立場のあなたに対し、これまで周囲に誰もいさめる人がいなかったからやりたい放題なのでしょう。これを機会に、B社がコンプライアンス意識を高めていくことを私は希望しています。
私は地方の岡山の建設会社社長であることは間違いありません。 しかし人のものを盗んではいけない事は両親から厳しく教育され無知な私でも知っております。過去インターネットの画像を有料で購入させていただいたこともありますので写真に権利のある事は存じ上げております。また著作権や肖像権のことも存じ上げております。
私は有賀様のおっしゃる通り無知な地方の人間でした。今まで様々な人にだまされてきました、架空請求や詐欺にあった経験もございます。 ですから、怪しそうな事は相手にいたしませんでした。 今回有賀様の事も存じあげないし、こちらは無料画像のなかから選んでいるという社員と取引先の言葉を信じ、正当に主張し法廷での判断をあおぎたいと考えております。もちろんその証拠はそろえてございます。
有賀様の請求金額に対し、こちらが対抗する為の費用すなわち田舎から出ていく交通費や弁護士費用ははるかに高額になります、しかし弊社の誠実性を実証するためにはしかたないと考えております。 ご理解ください。
すみません名前を入れる前に送信ボタンを押してしまいました。先ほどの文章はB社社長です。
B社社長さん、誰であっても私の写真を無料でご使用にはなれません。
「無料だと勘違いしていたが、調査の結果そうではないことが判明しました。ご迷惑をおかけして大変申し訳ないです」とおっしゃるならともかく、B社社長さんはあくまで「あれは無料だ」と言い張ることで無料にできるとお考えのようです。そのようなことをして何が楽しいのか私には理解しにくいです。
当該写真が無料画像ではないことは告訴状の第9項に記したとおりです。あらためて訴状をよくお読みください。無料でないものを無料と言い張ることは良識ある社会人ならもとよりしない、できないことです。
無料画像の証拠はそろえているとのこと。拝見できること楽しみにしています。もしそれが 『Yahoo!で検索語「セビリア 無料画像」をいれてヒットしたのが当該写真だった』 という程度の主張なら世間の笑いものになるだけなのでおやめになった方が賢明です。「無料」で検索したものがすべて無料で手に入ると思い込んでいるならただただ浅はかな人たちだとしか言いようがありません。
コンプライアンスを軽視する会社社長が「弊社の誠実性」を主張することも世間の笑いものになっていることでしょう。私のもとには、B社の現社員の方から、そのような裏表のある社長の行いが社員として恥ずかしいとメールをいただいています。世間どころか社内の笑いものかもしれませんね。
なお、私は現在ヒマラヤ山中に取材に来ています。
当地の通信事情がかんばしくないこと、取材に集中したいこと、以上から今後も従来と同じ内容のコメントをいただいても返答をいたしかねます。もし、ご自分の非を認める気になったらあらためてコメントをなさってください。どうもありがとうございました。
ちなみに子会社のA社は スペインで正式な旅行業許可を取得している現地の株式会社です。ご調査下さい。有賀様もスペインに行かれているのならばこれはご承知の事と思います。
現在この会社から多くのスペイン人が日本へ観光に訪れている私の自慢の子会社です。
有賀様のブログで赤線を引いている文章
「A社」の名前で法務省に登記された会社は国内にないことから「株式会社」はそう名乗っているだけなのかもしれない。これは会社法違反ではないか。
という部分は当旅行会社の信用に大きな影響が出ております。 賢明なご判断をおねがいします。
裁判がどうなったのか判決結果が気になっていましたが、B社らしい結末(八方塞がりになり漸く罪を認めるという)で安心しました。
この結果を鑑みてB社社長氏及びB社従業員(特に東京営業所の“有賀さんを営業妨害と言った”女)はどう思っているんでしょうか? 究極なトップダウンの会社のようなので今後はこの件には触れるなと箝口令でもでていそうな会社ですね。
有賀さんのお掛けで知ったB社。
私もクリエイティブな仕事をしているので著作権を軽視した会社との裁判大変参考になりました。
ありがとうございました。