高速鉄道が大幅遅延でポルトガル鉄道にクレームするつもりだったが…
カメラを持って散策するのが楽しい町、港町アヴェイロ。運河付近の賑わいに旅情を感じてシャッターを切り続けてしまいます。
アヴェイロでの撮影を終えたら、ポルトガル鉄道で約200km北へ、スペインとの国境の町バレンサへ移動します。
アヴェイロを12:15発の高速鉄道アルファに乗って35分。
ポルトのカンパニャン駅で急行に乗り換えてバレンサ駅へ2時間11分。
所要約3時間の旅です。
乗継時間がたったの10分しかないのが少々心配ですが、カンパニャン駅は何度か利用したことがあるから迷うことはないし、まあ大丈夫だろうと判断して、上の時刻表のとおりアヴェイロ〜ポルト〜バレンサの切符を通しで買いました。
この組み合わせで行くのがいちばん所要時間が少ないことと、午後あまり遅くない町歩きに適当な時間に到着することが決め手です。
高速鉄道は遅れて到着した
しかし、アヴェイロ駅から乗るはずの高速鉄道アルファは予定時刻になっても到着しませんでした。プラットフォームの電光掲示板に表示された時刻案内を見ると「新しい時刻12:39」になっているではありませんか。
なんということでしょう。予定時刻より24分も遅れています。
乗継時間は10分しかないのに。ポルトガルでは、ミーティングやビジネスアポイントメントに時刻通りに到着するのは失礼で、数分遅れて到着するのがマナーです。大人は常に余裕を持って落ち着いた行動すべきですからね。だからといって鉄道が遅れてよいマナーはないのですが、実際には遅れてくることがよくあります。
あらためて時刻表をみるとこの列車は地中海沿岸のけっこう遠方からの便なので、遅れる可能性大と考えてしかるべきでした。あーあ、しまった。と後悔しているうちに24分遅れの高速鉄道アルファがホームに滑り込んできました。
アヴェイロ駅を24分遅れて発車したアルファは、途中で更に遅れて、終点カンパニャン駅には34分も遅れて到着しました。
目的地まで35分間しか乗らない列車が34分も遅れたのでは高速鉄道の名に値しません。高速料金を返金してほしいものです。だれだってそう思うでしょう? カンパニャン駅で誰になんてクレームをしたらいいかを考えながらアルファから降りました。
「このタコ」ぐらいは言ってもいいものですよね。しかしポルトガル人の駅員に向かって"Polvo"と連発してもニュアンスは通じないでしょうね。
カンパニャン駅から次の列車に乗ると最終目的地のバレンサ駅への到着は2時間以上後になってしまいます。それではバレンサの町を楽しむ時間的余裕がなくなります。
心の中で毒づきながらホームの反対側を見ると、黄色いボディカラーの急行列車が停まっていました。電光掲示板には「発車時刻13:00、新発車時刻13:26」と表示されているではありませんか。あと1分後。そして発車ベルが鳴っています!
乗り継ぎ便に間に合った
鉄道員のところへ走って「この列車はバレンサ行きですか?」と訊いたら"Sim"と返事が返ってきたのでそのまま飛び乗りました。振りかえるとドアが閉まり、急行列車が発車しました。
なんとなんと、ポルトガル鉄道は、高速鉄道アルファが遅れたので乗り継ぎの列車をホームの向かいに待たせてくれたんです。もしかしたらぼくが通しで切符を買ったので、乗り継ぎ客がいることを知ってたからかな? そうだとしたら素晴らしい配慮です。タコ鉄道どころか鉄道の鑑です。
というわけで、ほぼ予定通りに鉄道の旅を続けることが出来ました。本日、ポルトガル鉄道に対する好感度が当社比300%増しになりましたよ。
この件で、どうしてポルトガル鉄道がよく遅れるのかが分かった気がします。ひとつ遅れると、玉突き状に次々と遅れていくのですね。ぼくにとっては間に合ったこの急行ですが、他の乗客達は発車を30分近くも待っていたことになります。
ポルトガルでは、鉄道やバスは1時間くらいの遅れはあるものだとして予定を立てるのが正解ですね。
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