風景撮影必携スマホアプリ、太陽の方向がわかるサン・サーベイヤー
日没の方向が分かるサン・サーベイヤー
風景写真を撮るときに強力な味方となるアプリがサン・サーベイヤー。太陽の位置を時刻ごとに表示してくれる。大西洋の水平線に落ちる太陽を撮ろうと思っていたので、日没の方向をチェックした。
- 太陽の軌道
- 日の出と日の入り
- 月の軌道
- 月の出と月の入り
- 夜明けと夕暮れ
サン・サーベイヤー有料版は1200円するのだけれど、風景写真を撮るカメラマンならそれを払う価値あり。というか必需品でしょう。
大西洋に沈む夕陽の方角を探せ
いま滞在しているのはポルトガルのナザレという漁村。
ナザレは、もともとは単なる漁村なのだが、幅広い砂浜があるためヨーロッパでは知られたリゾート地になっている。このほとんど人がいない砂浜も、夏は海水浴客でいっぱいになる。
広い、静かな砂浜を歩くのは気持ちがいいよ。
サン・サーベイヤーを起動すると、今の時期は、太陽はほぼ真西に落ちることが分かった。日の入りは18時54分。真西というのは、海を正面に見る方向だな。
ヨーロッパ最大の波がくるナザレ
ナザレにはもうひとつの顔がある。
北側の海岸は「ヨーロッパ最大の波がくる」サーファーの聖地なのだ。なんと高さ30mの波がくるんだって。その波に乗るためにヨーロッパ中からサーファーが集まってくることで有名だけど、こちらも今は波がなく、砂浜にもほとんど誰もいない。
ナザレの砂浜はこんなに広いから海も遠浅だと想像しがちなのだが、実際には、海は岸からすぐに急激に深くなり、そのまま垂直に深さ3000mまで切りたった崖が続いている。その地形が「ヨーロッパ最大の波」をつくりだしているのだそうだ。
できれば、劇的な波と深紅の夕陽の組み合わせで写真を撮ってみたいものだが、今回は静かな海と夕陽の写真になりそうだ。
カメラを手にして夕方の海岸へ
18時45分
水平線に太陽が近づいてきた。
やっぱり静かな海。風もなくて、落ち着いて撮影できる。
18時51分
18時53分
これが熱帯の島だと、空は晴れ渡っていても水平線近くに雲があることが多くて、なかなかこんなふうに沈む太陽が見えない。
18時54分
予定時刻のとおりに日が沈んだ。
飛んでいるカモメの数が急に増えた。
いままで「日の入り」が正確にいつのことを指すのかを知らなかったのだけれど「地上で見て太陽の上のへりが西の地平線に沈むこと(岩波国語辞典)」だそうだ。日本にいると地平線をみる機会はほとんどないから、あまり気にしたことがなかった。
そして、日の入りと日暮れとは別の時間を指すことも、この記事を書く前にはじめて知った。日暮れとは、太陽の中心が地平線の下、7度21分40秒の位置にある時刻をいう。すでに江戸時代にはそう定義づけられていた。日の入りから36分後なのだそうだ。
すると、大西洋に太陽が沈んだばかりの今現在は、まだ日暮れではないのか…。
「日暮れ」が日の入り後36分なら、その対義語の「夜明け」は日の出前36分を指す。でも今までそんなに厳密に「夜明け」がいつなのか考えたことがなかったな。
今回もサン・サーベイヤーが役に立ってくれた。
そして、よく晴れてくれた。どんなにすぐれたカメラとレンズを持っていても、曇天だったらその性能を充分に生かすことができない。写真家は、高価なカメラやレンズを数多く揃えることよりも、晴れ男であることのほうが重要だったりするんだよな。
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