神々のお清めの儀式がバリ島リゾート海岸で始まる【ムラスティ】
3月7日はバリ島のサカ暦の新年にあたる。
この日はニュピといって、バリ島中の人が外出せずに家で瞑想して送る日とされる。ニュピとはバリ語で「静寂」という意味。昨今はニュピが外国人の注目を集めていて、テレビも放送されずネットも接続停止する「静寂の1日」を体験しにわざわざこの期間を選んでバリ島に来る観光客が少なくない。
ぼくは、先月からバリ島に滞在しているのだが、ここ数日はビーチリゾートとして有名なサヌール海岸のコテージに滞在している。朝早く海岸に出ると、干潮でサヌール海岸は遠くまで水が引いている。その向こうに霊峰アグン山が聳えている。
今の時期は、朝6時20分頃が日の出。
海岸にいるからには朝日の写真を撮りたいものだが、東にペニダ島があるので、水平線から太陽が昇るシーンはサヌールからは見えない。それに雨季ということもあって雲が多い。それでも、雲の間から朝日が見えたのでシャッターをきれた。
神々の清めの儀式ムラスティが始まる
朝日とともに、サヌールの人たちはムラスティ(お清め)の儀式の準備を始めた。
ムラスティは、静寂の日、ニュピに向けての大切な儀式だ。
村のお寺に安置される神さま(ご神体)を水で浄める式典だ。サヌールは海辺の町なので海岸でムラスティをするが、必ずしも海水でするとは限らず、川の水でお清めをする村もある。こうして、新しい年を迎えるための下準備が進められる。
サヌールは国際的観光地なのでツーリストが多い。準備の横でサーファーがボートを持って歩いている、俗っぽい雰囲気がステキ。
お清めの儀式はバンジャール(町内会)ごとに行われ、この日はサヌールの4つのバンジャールが準備をしていた。朝一番で準備を終えたバンジャールでは9時過ぎに儀式が始められた。熱帯の太陽は垂直に上がっていくので、9時というともはや太陽は頭の上高くから照りつけていて、暑い。
そのせいか、ほとんどの村人は樹の下に隠れて参座していた。僧侶の関係者など、儀式を主導する一部の人たちだけが砂浜で祈っている。それにしても暑い。
上の写真をみると少人数で祈っているように見えるけれど、樹の下に何百人もの人たちが参座しているのだった。
雨が降っても儀式は進む
雨季なので天気が変わりやすく、午後になると空は曇ってきた。
しかし、曇っていると涼しくて助かる。
雨が降りそうなので心配だなー。いまは雨季だから、降り始めるとザザーッとくる。こんなにたくさんの人たちが砂浜に座っていても雨は容赦がない。
とはいえ、天気はなんとか持ってくれた。
ムラスティは、ニュピの5日前〜前日までの間にするのだが、前日はあわただしいので数日前の日曜日にすることが多いようだ。ただしサヌールの日曜日はローカルの海水浴客がたくさんいるので、月曜日に行われたりする。
バリ島の宗教儀式の期日は神々のご宣託で決まるから、じっさいにいつ行われるかは諸事情による、という感じ。
今回の使用機材は、カメラボディ Panasonic G9 にレンズ LEICA 12-60mm/F2.8-4.0、望遠レンズはLEICA DG 50-200mm/F2.8-4.0 の2本。
サヌール海岸は観光客が多いので、ビキニの水着で式典を眺める人がいるおおらかさがある反面、式典に無関係な人はすぐ近くまで寄れないから、撮影が少々やりにくい。
この地域で写真を撮りたいなら、サヌールのマタハリ海岸から3kmほど北のパダンガラッ海岸 Pantai Padang Galakなら早朝暗いころから儀式が始まっているが、町から近い事もあってアマチュアカメラマンも集まるから写真を撮るには動きにくいようだ。
こうしてご神体をお清めすると、次は町のお清め「オゴオゴ」が始まる。
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