【最強の三脚】ジッツオ GT2531 とerg N75ALP
今回、バリ島に持ってきた三脚はGITZO GT2531。
ジッツオの定番カーボン製三脚だ。パイプ径28m、2型3段、軽量ながらもしっかりしていて、通常の撮影に大変使いやすい三脚である。
ここでいう通常とは、広角〜中望遠のレンズを着けた一眼レフカメラで、雑貨とか建築とか風景を撮影すること。ようするにぼくにとっての通常撮影だが、プロであれアマチュアであれ、多くの人がこの範疇に入ると思う。
フィルム時代は、どこへ撮影に行くにも必ず三脚を携えていたものだった。何しろ感度100のプロビアで撮影していたからね。実効感度ISO32のベルビアもよく使っていたものだった。
が、デジタル時代の今ではたいがいの撮影は手持ちでできてしまう。
感度をISO3200にして、手ぶれ補正機能付きレンズを使えば、マニュアルフィルムカメラでプロビアを使っていた頃に対してなんと8段分もシャッタースピードを稼げるのだ。まったく信じられない話だが今ではこれが普通である。だから三脚を持ち出すことは激減した。
そんな現代にあっても、三脚が必要な撮影はやはり多い。
構図を隅々まできっちり決めたいとき、例えば、数多くのお皿を並べる日本料理の撮影では、三脚でカメラ(つまり視点)を固定しないとどうにも構図を決められない。
繊細な描写がほしい風景撮影でも、三脚は必需品だといえる。それに重いカメラを手で持たずに撮影できるから、三脚撮影は実のところ結構楽ちんなのだ。
雲台はエルグのN75ALPを着けている。
滑らかに動作し、キチッと止まる。エルグはこれが確実にできる雲台だ。戦闘機やF1に使われている超ジュラルミンを高精度に加工した雲台で、わずか重量320gながらどんなレンズを載せても狙ったところに正確に止まる。1ミリどころか0.01ミリの誤差もなく、ピタリと止まる優れた雲台である。
なんでもNikon D4に300/f2.8を着けた重量級を載せてもピタリと止まるらしいが、どっちも持っていないから確認できない。ぼくの持っているカメラではD300+VR70-200/2.8Gならまったく問題なくどんな構図でも正確に決められる。
この世の中に、この雲台よりも優れた雲台があるだろうか?
あるとすればマンフロット405だ。本当は、建築写真家からの評価が高いこの優れたギヤ式雲台がほしかったのだが、問題は重量で、なんと1.7kgもある。これじゃあGITZO GT2531より重い。だからマンフロット405はハスキーとかの重い三脚に着けて使われるようだ。もともとシノゴとかバイテンとかのビューカメラを想定している雲台だからそれが妥当だろうね。
マンフロット405は価格も結構高いから、弟分として410というより安価で軽量なギヤ雲台がリリースされているが、値段が安いからか405ほど精密にギヤが動かない。これでは使っていたストレスがたまりそうだ。だから410はぼくには対象外。
そしてあこがれの405も重すぎるから残念ながら諦めた。
三脚は、脚そのものの剛性や使い勝手も大切だが、それ以上に雲台の質が重要だ。
エルグN75ALPは、大概の雲台でわずかに生じる、レバーを締めたときの微妙な構図のズレが全くない、完璧な雲台である。ぼくはこういう、エクセレントな機材が大好きだ。
雲台を載せるお皿は、GT2531に付属してるものは大きすぎてN75ALPのパンレバーが干渉して操作しにくかったのと、プラスチック製のためかN75ALPが滑って回転することがあるから、バサルト2型の金属製のお皿をヨドバシカメラで取り寄せた。オレンジ色がアクセントで効いていて気に入っている。なんか、ソニーの一眼レフみたいなアクセントカラーだと後になって気がついた。
三脚ストラップは、例によってNPSストラップを付けている。デジタル時代になってからカメラの更新頻度が早く、一時は毎年のように何台もカメラを買っていたから、NPSストラップが余ってしまい、三脚だけでなく脚立にも着けている。
というわけで、GITZO GT2531は1.43g、エルグN75ALPは320gで、合計1.73gと軽量ながらも最高の機能性をもつ三脚を使っている。おかげで撮影が気持ちよく進められる。
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