この10年で、世界は豊かになっている
経済が低迷し、失業率だけが右肩上がりのスペインでは、ユーロでスペインチームが優勝したから不景気も吹き飛ぶほどのお祭り騒ぎ。もちろんここでいうユーロは4日前のユーロカップのことで、通貨のことではない。
スペインチームの一員シルバ選手は、母親が日本人(日系人)だから顔つきもどことなく親しみのあるハンサムな選手。ぼくも日本人としてスペインの優勝が嬉しい。
経済は停滞していても、スペインにはフットボールがある。
世界一なのだ。それがスペイン人の誇りのようだ。
ま、それはともかく、ユーロの不安定さ(今度は通貨のこと)によってスペインをはじめ多くに国の経済が明日をも知れないことには変わりがない。
そして「失われた20年」の日本はいつの間にかその地位を韓国に脅かされつつある有様で、こちらもダメダメ振りが深刻だ。
世界経済は不況なのだろうか。
確かにそう見える。
けれどもね、実は、世界は豊かになっているんだ。
インド・ブラジル・中国など、少し前まで激貧だった、今や豊かになりつつある諸々の新興国の人口を合わせると35億人にもなる。
インドにも中国にも、現在でも1日1.25ドル(100円)以下で暮らす最貧困層が数億人いるから35億の全員が豊かになったわけではないが、それでもかなりの割合が貧困を脱して、中産階級を目指しつつある。これらの国々へ仕事などで通っていれば、その空気を肌で感じるだろう。
それどころか、アフリカや南米でも、非常にスローながらも着実に経済成長が続いている。これらの国々は歩みが大変スローだが、これまで頻発していた内戦や飢餓が減っていて、それが経済成長に寄与しているようだ。
世界銀行が本年2月29日に発表した最貧困調査によれば、1日1.25ドル以下で生活する貧困層は、1981年の19億4000万人から、2008年には12億9000万人へと減っている。2010年の推定値ではさらに減ったらしい。この間、世界総人口が増えていることを考えると、貧困層の割合は半減したといえる。
先進国はおおむね不況にあえいでいるが、実のところ中から下の国々は、案外好景気なのである。
マスコミは、欧米、とくにアメリカの意向や現状しか報道しない。それ以外の国にはほとんど興味がないようだ(もしかしたら読者・視聴者も欧米しか興味ないかもしれないが)。
しかし、世界にはもっといろんな国がある。広く世界を見渡してみれば、ワイドショーのようなテレビニュースが伝えない姿が見えてくる。
そう信じて、今日もカメラを手にするのだ。ぼくは。
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