地図にない散歩道
カトマンドゥ盆地に住むネワール族の住居は、独特なスタイルをしている。それは、表通りやバザールを歩いているだけでは分からない。
通りを歩いていると、建物の入口らしいところを出入りする人をよく見る。
大概のツーリストはそれを見ても、この家の住民だろうと気にも留めないと思う。しかし、前方の女性の後をついて入ると、その向こうにあるのは個人の家ではなく、中庭を囲んでいくつもの住宅だった。
中庭の中央には仏塔が建てられている。
ネワールには仏教徒が多い。
中庭に面して寺が建っていて、壁面には五智如来が描かれている。
ひとつの中庭は、また別の中庭へと続いている。
その向こうには、さらに大きな中庭がある。
カトマンドゥにはこうした中庭と中庭を結ぶ通路が無数にある。子供たちは中庭で友だちと遊びながら育つし、おかみさんたちの井戸端会議の場所でもある。これらの道はガイドブックなどの地図には載っていない。
ネワール族が作り上げた、中庭を囲んで人々が暮らすスタイルの都市は、中世イタリアの都市とよく似ていると言われている。ヒマラヤのふもとの都市と、海洋帝国イタリアの都市が、同じようなスタイルを持っているとは意外だね。
さらに薄暗い道を歩いて中庭を通り過ぎる。
ようやく地図に載っている通りに出た。
静かな中庭から外に出ると、雑踏がやけに賑やかに感じる。
ディスカッション
コメント一覧
イタリアの散歩道って? ベネツィアの事でしょうか? 私も行きましたよ♪ 迷ったら出て来れなくなるって言いますよね!
私は土地勘が良いのか?初めてでしたが迷わず、路地裏探訪を楽しんじゃいました
あちこちに野良猫が居ましたよ!(^ー^)
それから中庭ならパティオの有るスペインですか?
私は何処に行っても人が住んでる雰囲気の場所からパワーを感じるから路地裏歩くの
大好きです!ウブドでも精霊の道を通って
次の通りに出て又歩くとか…
中世からあるイタリアの町は、迷路のような構造をしていますね。ベネツィアは通路も迷路ですが、運河が張り巡らされていて美しかった。
スペインのパティオは個人の邸宅など大型の建造物の中庭なので、無関係の人は入ることが出来ません。「個人の土地」ですね。
対して、カトマンドゥの中庭は公共性があって誰もが入ったり通り過ぎることができます。こちらは「公道」のような感じです。いや「裏道」かな? ファミリーで一緒に住んでいるから人間関係が関係が深そうですね。
なるほど、確かにパティオはアパートに住んでる人だけの特権ですね!
カトマンドゥーのそれは半分公道的な役割もしつつ、近所の人々との交流の場みたいですね?日本が無くして来た風習が未だ未だアジアの片隅では当たり前の事として紡がれてるのですね!
ずっと守って頂きたいです♪