パエリアの故郷、バレンシアで食べる最高のパエリア
無事にスーツケースを持ってスペインのバレンシアへ飛んで来ることが出来た。
バレンシア地方はスペインの米倉とも言われており、郊外には水田が広がっている。今の季節は青々として瑞々しい。しかしその景色は日本の水田と何かが違う…..。よく見れば、苗の並び方がバラバラだ。
なんでも、農業の人手不足から田植え作業の単純化が計られた結果、昨今は田植えをしないで、田んぼにお米を蒔いて芽が出るのを待つだけの稲作になっているそうだ。稲作と田植えは不可分の作業だと思っていたが、そうでもないのか。スペインらしいやり方だという気もする。
水田地帯のまんなかにある小さな村エル パルマルEl Palmarは、かつては湖に浮かぶ島だったそうだが、干拓によってバレンシアと陸続となった。ここまでバレンシアのノルド駅前からタクシーで25ユーロ程度の距離。市バスで来ることも出来る。
エル パルマルには、地元産のお米を使ったパエリアを出すレストランが多い。
もともとパエリアはバレンシア地方の郷土料理。なかでもエル パルマルのような水田地帯なら新鮮なパエリアが食べられるに違いない。
一番おいしい店はここ
数ある店の中でも、村で一番おいしいと評判の店エル グラネールEl Granerへ行ってきた。ここは炭火でパエリアを調理する店。お焦げがおいしいと言われるパエリアは炭火で焼くのが本来のあり方で、ローカルの人たちが家庭で作るときは皆そうしているという。
さて、パエリア バレンシアーナを注文したら、お店の奥さんがパッパッと作って持ってきてくれた。バレンシアでは、テーブルの真ん中にパエリア鍋を置いて、おのおのが直接スプーンをつっこんで食べるのが流儀だが、ここでは奥さんがお皿に取り分けてくれた。
評判に違わず、おいしいパエリアであった。
食後に村の周辺を散歩していたら、ニワトリの大きな声が聞こえてきたので振り向いたら、籠に入ったニワトリや、ウサギと目が合った。どうやら、もうすぐ食べられる運命なのだろう。エル パルマルのパエリアは、お米だけでなく、ニワトリやウサギ、魚介類など、パエリアの具になるものはほとんどが地元産のようだ。
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