【ルンビニ】2500年前、ブッダはここで生まれた

ネパール

ネパールのルンビニは、2500年前にお釈迦さまが生まれた場所。

2500年前にはここにサキャ国という国があり、王妃マーヤーが出産のために実家へ戻る途中、ここルンビニの草原で男の子を産んだと伝えられている。のちにブッダとなる、シッダールタ王子の誕生だ。その場所には、小さなお堂が建てられている。

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2月のルンビニ地方は日中でも暑くない。各地からの巡礼が多くやってくる。インドからの仏僧も菩提樹の下で読経をしていた。

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お堂の近くにあるこの菩提樹は、マーヤーが王子を出産するときに手をかけた由緒正しい木だと近隣では言われている。

実際には、この菩提樹は仏暦2500年(西暦1957年)を記念して、当時のネパール国王であるマヘンドラ国王が1956年2月に手植えしたものだ。大きく見えるが、まだ樹齢60年にもならないのだ。それにマーヤーが手を掛けたのは菩提樹ではなく無憂樹(アショーカの樹)だ。

熱帯の木は生長が早いため、大きく、神々しい姿をしていることから、誤解されて多くの巡礼がこの木に礼拝をしている。

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僧たちに供養する巡礼の女性

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そうこうするうちに、今日も日が沈む。
春のルンビニは霧に包まれたように空が霞むことも多いが、今日の午後はほどよい晴れ具合だった。

ぼくは夕陽は大好き。自然と、宇宙と、人類の歴史の営みを感じさせてくれる。圧倒的な大自然の姿に感動しながらシャッターを切る、この時間が大好き。

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24時間絶やされることのない「平和の火」。
誰しもが平和でありますように。

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三蔵法師も訪れたルンビニ

ブッダの生誕地ルンビニは、西暦636年には三蔵法師のモデルとして有名な玄奘三蔵もこの地を訪れて礼拝している。

玄奘がインドの滞在記として書き表した「大唐西域記」によれば、王家の庭園だったルンビニには池があり、出産前のマーヤー妃が身を清めたという。池から24歩のところには後にマウリア朝アショーカ王が建てた塔があり、その東側が王子誕生の場所で、帰依する人々がお菓子などを供養していたそうだ。

周辺には寺院がいくつも並び、数十名の僧が修行に励んでいた。

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写真の左側にあるのが、そのアショーカ王の塔。
かつて三蔵法師もここを詣でたのだ。

塔から池までの距離は、ぼくが歩いたらちょうど40歩だった。

玄奘の歩幅が広いのか、それとも池の位置が現在と違うのか、どちらだろうか。池がいまの形に整備されたのは20世紀のことなので、位置が変わってしまったのかもしれない。

また、王子出産のときにマーヤー妃が手をかけた無憂樹(アショーカの樹)は、玄奘が訪れた時にはまだ同じ場所に立っていたという。それは今の聖堂の中心地で、こここそが世界で最も聖なる人が誕生した場所だ。しかし本当の木はすでに枝が落ちていて、挿し木を繰り返した何代目かの木に葉が茂っていたそうだ。

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こちらは、王子出産のときに王妃マーヤーが手をかけた木だと誤解されている菩提樹。木の種類も、位置も違うというのに、巷間そう言われていて、礼拝する巡礼も多い。見た感じ、立派だし、そう思われるのも無理もないかも。

いずれにせよ、この大樹の陰は気持ちがいいので、タイやスリランカからの巡礼団が休んでいたり、僧侶が読経していたりする。最近は仏教に興味を持つ西洋人がきて瞑想している姿を見ることもある。

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それにしても、2500年前に王子の生まれた場所が、ここだと分かっているのは凄いことだね。その人、シッダールタ王子は35歳で悟りを開き、ブッダとなって、80歳になるまで生涯一日も休まずに世の平和と心の平穏の在り方を説き続けた。ああ、お話を聞いてみたかったなあ。

冬のルンビニは、早朝は意外に寒い

2月中旬のルンビニは、早朝はパタゴニアのフリースジャケットR2を着てやや寒い感じ。靄が濃くて、日の出の太陽は見えない。

じきに暖かくなり、お昼頃はロンTを1枚でちょうどいい具合になる。

周囲を見回すと麦畑が広がり、菜の花が咲いている。

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今日も一日、ルンビニでカメラを持って歩いた。

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