D800の実力
昨日は、DxO MarkでD7000と他社のカメラを比較したから、今日は同じニコンのカメラと比較してみる。
比較相手は新製品のD800。
D7000とはセンサーの類似性がしばしば指摘されるカメラである。何故なら両者はセンサーピッチがほとんど同じだからだ。センサーピッチとは撮像素子の1画素のサイズのこと。これがD7000は4.79ミクロン、D800は4.88ミクロンである。
対して、高感度性能が非常に高いことで知られるNikon D3は8.45ミクロン。1画素が大きくて光を多く取り込めるから高感度に優れている。比べるとD7000とD800のセンサーピッチの類似性が理解されよう。少々乱暴にいえばD800のフルサイズの撮像素子は、D7000のハーフサイズ撮像素子の面積をそのまま広くしたものだといえる。だから、センサー性能は同じようなものなのではないだろうか。
ところがそんなことはなかった。
DxO Markの測定による総合成績は、D7000が80点、D800は95点である。D800はものすごい好成績じゃない?
D800のダイナミックレンジはこれまで見たことがないほどワイドで、なんと14.4Evもある。これは伝説のFujifilm S5proよりも幅広い値だ。そして高感度性能も非常に高く、ここには掲載していないがあのNikon D3をも上回っているのである。
D800の好成績がどのくらいスゴイものか、DxO Markの測定による総合成績の上位8位までをリスト化してみる。すると、驚くなかれD800はすべてのデジタル一眼レフ中で第一位、最高の性能を持っていることが判る。2位があのPhase One IQ180だから、D800は何と中型カメラよりも高い数値を出しているのである。これを驚かずして何を驚いたらよいのだろうか。
D7000が世に出て1年半が経つ。その間にセンサーメーカーとニコンは営々と4.79ミクロンの撮像素子のチューニングに励んでいたのだろう。その成果がD800に現れているのである。
ところで、8位のEOS 5D3の次あたりから同点カメラが増えだして、D7000はその次あたりに位置するから、D7000もかなり優秀な成績だといってよいだろう。
昨日も書いたが、DxO Markの測定はあくまで撮像素子の性能を調べているだけで、写真の画質はそれだけでは決まらない。この結果は、大学入試の偏差値みたいなもので、あるひとつの要素にすぎない。Phase OneよりD800が高得点を得たからといって、Phase Oneの画質を上回っているとは俄に納得できないだろう。
それにRAW撮影とJpeg撮影は、基準も結果もまったく違ってくる。RAW現像ソフトによる絵作りの違いなどもまったく無視している。だから今日の話は、おもしろ半分に聞いておいてください。
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