クニンガン
祖先の霊を迎える祭りガルンガンから10日が過ぎると、霊を送る祭りクニンガンがやってくる。今年は2月11日。
この日もバリ人は、自分の家の神棚から始まって、実家の寺、村の寺、さらには遠くの有名どころのお寺へも足を運ぶ。
ブノア港に近いスランガン島には、開基10世紀頃ともいわれる古刹サケナン寺院がある。王族にも関係する由緒ある寺で、この日はバリ島各地から人々がお参りに集まり、その数およそ150万人とも言われている。
しかしバリ島の人口は子供やお年寄り、さらにはイスラム教徒まで含めても360万人だから、その半分という数字は多すぎる気がする。
実際にサケナン寺院を訪れてみればたしかに大変な人出で、これなら150万は大げさでも15万人くらいは集まるかも、という混雑ぶりであった。
こういう時は寺の門をくぐるだけでも大仕事だ。なぜならバリ島では、悪霊が入ってこられないようにと大寺院でも豪邸でも門の幅はわずか1mほどしかなく狭い。もし山手線の原宿駅に改札口がひとつ、そして改札機がひとつしか無かったらラッシュ時は今日のサケナン寺院のような感じになるだろう。
どんなに混雑していてもやがては儀式が終わる。
寺院の裏手に出ると、そこは人が少なくなく、頬をなでる風が涼しくここちよい。
大きなお祭りには露店市がつきもの。
赤・緑・青・ピンクとカラフルな色のひよこが売られていた。バリ島でも色つきひよこは子供たちに人気のようだ。何日かしたら色がとれて普通のひよこになってしまうのだが、子供はそんな先のことまで気が回らないしね。
スランガン島は、イカンバカル(焼き魚屋さん)でも有名だ。
サケナン寺院の門前には、焼き魚屋がずらりと並ぶ。
どこに入っても味は同じようなものという人と、バリ独特の調味料サンバルマタの味が違うから当然おいしさは異なるという人と、意見が分かれるのがイカンバカル。目の前でカツオを焼いて、サンバルマタとご飯のセットでたったの2万ルピア。どこに入ってもおいしい、が正しいかも。カツオはムッチリとして本当においしい。
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