2017年新春、メカフェチを満足させる官能的なカメラがほしい
これまで使っていたカメラが酷使に耐えかねて戦線から脱落しつつあるため、この春は新しいカメラの選定と導入を迫られている。スナップ撮影が中心のぼくにはコンパクトで高性能な機種が望ましい。そしてメカフェチを満足させてくれる写真撮影機がほしい。
2017年新春、旅するフォトグラファーが買おうか買うまいか悩んでいるカメラとは…? 新発売の旅行用のおすすめカメラはこれ!
この春、気になるカメラはE-M1 MkII
オリンパスの「最高のカメラを作る」という熱意が結晶したOM-D E-M1 MkIIの評判が素晴らしく高い。これまでに、これほどOMが注目されたことがあっただろうか。
ちまたで話題の新機能は、驚異的な手ぶれ補正・ほぼゆがまない電子シャッター・秒間18コマの高速連写と高速追従AFなどなど。そして写真を撮るメカとしての存在感が格段に高級感をもって仕上がった。ようやくオリンパスも官能的なカメラを作れるようになった。
新型の2000万画素ローパスフィルターレス センサーも性能が向上したようだ。
手ぶれ補正は新型12-100mm/F4レンズとセットで使えば広角側で4秒のシャッターでもぶれないという凄まじい高性能さを誇る。1/4秒じゃないよ。4秒だよ。とてつもないカメラが現れたものだ。
高速連写と高速AFはぼくにはあまり響かない。速いことよりも操作性がよいことの方が重要だ。もともと防塵防滴性能は折紙つきだから悪天候下での信頼性は高い。
難点は新発売直後で20万円ほどすること。2台買って12-100mm/F4レンズも買うと50万円もする。これだけあればNikon D5が買えるなあ(ボディ1台だけだけどさ)。この2機種を比較するのはハリウッドのスーパーグラマー女優と日本のスレンダー女優(とうぜん宮崎あおいだろう)を比べているような無理さがあるが、フラッグシップにしかない官能さという点で比べてみたい。
ともあれメーカーは生産が追いつかないほど売れているらしい。
ベスト中級カメラはPanasonic G8
もう1台の候補もマイクロフォーサーズのカメラ。
昨秋発売されたパナソニック Lumix G8は、パナ最高級機のGH5から高級感を取りのぞいて性能は同じにしたであろうという印象の実力機。あるいは先代G7のチープなメカをあらためて性能をブラッシュアップした実力機、といってもいいかもしれない。
そして画質がよい。新型シャッターユニット・ボディ内手振れ補正・1600万画素ローパスフィルターレス センサーの複合効果によって格段にキレがよくなった。2000万画素ローパスフィルター付きセンサーと比べて解像感は遜色ないのにファイルサイズが適度でハンドリングしやすくていい。防塵防滴もマル。ファインダー像も大きくて見やすい。
なにより価格がボディのみ最安値10万円を切っていて、オリンパスE-M1 MkIIを1台買う予算で2台買えるのも魅力的だ。官能さはぜんせんない。女優とかではなく大学の同期でいちばん真面目で働き者の娘にアプローチしてるみたいな感じかな。実用度の高さではNo.1機種ではないだろうか。
dpreviewが選んだ2016年ベスト中級カメラ
日本のレビューサイトの情報源になっている有名サイトdpreview.comは、クラスのライバル ソニーα6300やキヤノンEOS 80Dを押さえてG85(G8のアメリカでの名称)をベスト中級カメラに選んだ。合理的で実用を重視するアメリカ人らしい選択だね。
なお「今までのミラーレスに満足しているか?」という挑発的なコピーで話題を集めたキヤノンEOS M5は、dpreviewの審査員からはまったく評価されず、G8にもα6300にも票が遠く及ばない不人気ぶりだった。
Nikonの本気ミラーレスはいつ登場するか
Nikon D500は2016年4月末に発売されてから売れ行きが好調で、市場から高い評価を得ているが、dpreview.comの審査員からの評価もまたたいへん高かった。2016年ベスト高級カメラは、Canon EOS 5D Mark IVやOlympus OM-D E-M1 IIを制してほぼ満場一致でNikon D500が選ばれた。
ぼくはニコンユーザーでもあるし、この高い評価のカメラはかなり注目している。撮影性能は最高最上だし使い勝手もいいからすでに買ってしまった人も多いことだろう。きっちりつくってあるメカが魅力的。機動性の高い一眼レフカメラとしてはもっとも官能的な機種だ(D5は大きすぎて機動性が高いとはいえない)。
昨年はあやうくD500を買ってしまいかけたことが何度かあったがなんとか踏みとどまった。
しかしこの春、ぼくはニコンからミラーレスカメラシステムが登場するのを待っている。それはフルサイズセンサーを搭載した超高性能なシステムになるだろう。さしあたってはD750〜D810クラスが登場し、ついでヒトケタがリリースされると思う(でると確証しているのではなく、単に待っているだけだよ念のため)。
ミラーレスといってもフルサイズセンサーを搭載している以上はレンズがそれなりに大きいものになるから、システム全体はそうコンパクトにはならないだろうが、もし発売されたら買ってしまいそうだ。しかし当面は姿を現しそうにない。ないものは買えないからやっぱりE-M1 Mk2かG8かどっちにするかしばらく悩み続けそうだ。 あるいは、もしかしたらFUJIFILM X-T2を突然買ってしまったりするかもしれないな。
悩みの多い新春なのだった。
ディスカッション
コメント一覧
有賀さん。
初めまして、いつもブログを楽しみにさせていただいております。
今回は、新機材導入という内容・候補にしておられる機種がたまたま使用しているということから今回コメントをさせていただきました。
参考にはならないかもしれませんが、頭の片隅にでもと思っております。
・OLYMPUS E-M1 markⅡ
知り合いのアマチュアより本体とレンズをお借りして使ってみた感じです。
OLYMPUSのHPでわかるようにかなり動体撮影に特化された機種と思われたら良いかと思います。
個人的な一番の特徴はAFの食らいつきです。
野鳥撮影時のAF-Cでも食らいつきが段違いです。
後は、やはりマイクロフォーサーズなんで、ネイチャーフォトグラファーには有りがたい軽さです。
・Panasonic LUMIX G8
僕も所有していてX-T2と共に使ってます。
有賀さんが言われるように、値段以上に能力が詰め込まれた機種です。
ローパスフィルターレスや防塵防滴なども魅力ではありますが、個人的にはなんと言っても5段手振れ補正と新シャッターシステムかと思います。
OIS未搭載な単焦点にもガッチリ補正効く上、とにかくシャッター音が静かでショックが少ないです。
シャッター音に快感を感じる方には物足りなすぎるかもですが、とにかくミラーレスの利点を特化したシャッター音・ショックです。
僕が思うには三機種の中では有賀さんの撮影スタイル(仕事)に一番マッチしているかと思います。(他二つはやはり動体撮影を意識したような進化なので)
最後にFujifilm X-T2です。
これは僕が主に仕事で使っているカメラですが、これもE-M1 mark2同様動体に力を入れたカメラかと思います。
以前から定評の画質と色合いに+動体撮影強化といったかんじですね。
実はこれがキッカケで、僕はCanon 7Dmark2+5Dmark3からFujifilm に乗り換えました。
メインで使ってるか故の不満ですが…今一歩利便性に欠けるところです。
スリープモードからの復帰が遅い・カメラ内現像する時、表示画像が小さすぎて確認するのにイチイチプレビューしなければならない。
このような感じです。
あくまで個人の感想ではあるので、そこはご了承ください。
RINさん、こんばんは。
コメントを有り難うございます。
大変参考になります。
ぼくはあまり動体撮影をすることがないから、カメラの動体性能の向上はあまり興味がありません。E-M1とD500は、その点ではぼくにはオーバースペックです。RINさんがおっしゃるように、この3機種のうち実用的にはG8がいちばんぼくに向いている気がします…….。もう少し色気があるといいのですけどね、G8。
フジが今一歩利便性に欠けるという点、同意します。そもそもぼくはフジのファンでして、フジの技術力と画像エンジンは信仰しているといっても過言ではないほど信頼しています。RINさんは5Dmk3からフジに移行されたそうですが、もう少しフジのカメラの操作性がよかったらぼくもフジをメインにしていたかもしれません。
パナの5段手振れ補正はそうとうよさそうですね。
新発売のライカ12-60mmも魅力的なので、OMではなくこっちにいってしまいそうです。どうしたものか、悩みの多い新春がしばらく続きそうです。