ブログの写真を無断転載されたら3万円を請求することに決めた
ぼくの写真を無断転載しているキュレーションサイトがまだあったよ。
このボトルは、ウズベキスタンのカフュールという飲み物。日本では「ラッシー」という名で知られるヨーグルト飲料だ。ヨーグルトは発酵しているから微量のアルコール分が含まれていて、大量に飲むとほろ酔い気分になるという記事につけた写真。
「画像引用元」などと書いてあるが、これは引用ではなく無断転載だ。
このキュレーションサイトは会社案内も所在地もどこにも載せていない、しようもない泡沫サイトだった。しかしお問い合わせのコメントフォームが用意されていたから、いつもの著作権侵害のクレームを送った。
拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
貴社ウェブサイトに、私が撮影し著作権を有する写真1点(ここに無断転載写真のURL)が無断で転載されていることを確認いたしました。転載元は私のブログ(https://www.photo-yatra.tokyo/blog/archives/154)です。
私はプロのフォトグラファーです。私の写真の使用には料金が発生いたします。つきましては料金のお支払いについてご相談させていただきたいので窓口となる担当者の連絡先を12月16日までに教えてください。
なお、私の著作権侵害に対するポリシーをブログ記事にしています。一読いただければ幸いです。https://www.photo-yatra.tokyo/blog/archives/9118
よろしくお願いいたします。
有賀正博写真事務所住所○○
先日の、建設会社を著作権侵害で提訴した顛末を書いたブログ記事のURLを添えておいた。「このメールを無視するとこうなるぞ」と暗に伝えているのだ。この裁判で当初かたくなにパクリを否定していた建設会社は、最終的に損害賠償と慰謝料をあわせて48万円を払う結果になった。
2時間後に短い返事が来た。
有賀様
ウェブサイト管理者の○○です。
写真を無断転載してしまったこと、誠に申し訳ありませんでした。
当該記事より写真を削除いたしました。
今後の連絡はこのメールにお願いいたします。
○○○○
info@○○○○○○.com
個人名とメールアドレスだけが記されている。
会社ではないのかもしれないが、住所ぐらいは表示してほしいものだ。
ただちに用意しておいた返事を送った。
後藤さま
早速の返事をありがとうございます。
当方規定の写真使用料は、WEB用途、1点なら、使用サイズに関わらず3万円を設定しています。
また、無断使用による割増金は2倍です。この料金は業界最大手のアマナイメージズに準じます。ただし貴社から迅速に使用料をお支払いいただけるなら割増金は不要といたします。その場合の支払期限は今週末とさせていただきます。
3万円を下記の口座にお振り込みください。
○○銀行 ○店 普通口座 ○○○ アリガマサヒロ
恐れ入りますが振込完了後に連絡をください。
なお、貴社の締めなどのご都合でお支払いを別の日にご希望の際はお知らせください。
よろしくお願いいたします。
有賀写真事務所
これまでの反省点として、使用料金を割り引く必用がないのに半額にして請求していたこと。こちらが被害者なのに弱気であった。今後は割引をやめ、1点につき使用サイズに関わらず3万円を請求する。
20分もしないうちに返事が来た。
有賀様
12月14日付で振込が完了しました。
よろしくお願いいたします。
○○
すばやい振込であった。
あっという間に交渉が終了したのは、DeNAのパクリサイト閉鎖事件によってこれらパクリサイトが動揺しているからかもしれない。あるいは、ぼくの裁判日記を読んで、さっさと3万円を支払った方が吉と考えたのかもしれない。
いずれにせよ、この年末はパクリサイトに請求書を送るのに最適な時期だ。
この記事を読んで、自分でもパクリサイトに料金請求をしようと思った方がいたら、上記のメールをコピペして自由に書き換えて使ってください。ぼくの裁判のURLも消さずに「こちらの記事を参考にしています」と書いて送ってもいいかもしれませんね。
みなさんも削除だけで落着とせず、がんがん料金請求して下さいね。
ディスカッション
コメント一覧
ブログ拝見させていただいております。
Spotlightのサイバーエージェント社には請求されましたでしょうか?
頑なにサイバーエージェント側に非はなく、ユーザーの責任と言っているのですが。
Spotlightにはパクられていないので請求していません(見つけていないだけかもしれません)。
会社側に非がないわけないです。その厚顔無恥さ加減はLINE社と同じですね。
サイバーエージェントに無断転載された写真の使用料を請求して3万円支払っていただいた方がいます。
http://suzukidesu23.hateblo.jp/entry/way-of-curation-media
有賀さんのようにプロ写真家ではなく、趣味で撮った写真をwebに載せているアマチュアですが、その場合も無断転載している他サイトに3万円を請求できるのでしょうか?
そもそも、ここで有賀さんが請求しているのは「プロとして提供している素材ではありません」し「無断転載を禁じる」と謳っていようといまいと「侵害事実にプロ・アマは問わない」です。
・侵害されている証拠を記録
・自分の著作物である証拠
これがハッキリしていれば訴えれば勝てる訳で、勝ち目ない裁判で会社の看板に傷を入れるだけ。有賀さんと訴訟をした建設会社のような対応をされるならブログでネタにしてやりましょう。
3万円という金額設定は、プロとして提供したつもりはなくとも勝手に転載した相手が本来他のサイトで同じようなストックフォトを利用すれば支払うべき対価に過ぎません。
もっと言えば、3万円なんてプロにオーダーメイドすれば収まらないラインです(笑)
あくまでもストックフォト形式と事後承諾して3万円ですからね。訴訟になれば3万円という相場以上に請求しても良いわけです。
一方的に侵害された側に相談がなく使われた写真の価値は、相手が良くわかっているはずです。故意か無知か、正当な対価を払うという手間を惜しんだだけ。侵害された側の意識は無関係です。
それでも対価を求めてアップしたつもりでないのに、請求するのは恥ずかしいから泣き寝入りしますと考えるなら責める事は出来ません、面倒は面倒ですからね(笑)
しかし、それでは相手は貴方の写真はフリー素材、ひいてはアマチュア写真家はフリー素材という認識を改める事はない、悪習を断ち切れなくなります。
韓国のマスコミに写真を無出典利用(cc-by-sa-3.0(あるいはcc-by-sa-4.0)で提供しているため)していたので請求したら1社(1次利用3件、2次利用(他社への販売)1件)は50万ウォン支払うことで示談が成立。KBS(1件)とMBC(2件)も損害賠償を支払うことで示談が成立、ソウル経済(10件)と聨合ニュース(1次利用2件、2次利用は件数が未定)は示談交渉中。難航しているのは日本の7社(不動産会社3件、武田塾、情報誌会社1件、温泉施設1件、建築事務所1件)でメール送っても音沙汰なし(温泉施設からは醜い言い訳)、3社(建築事務所、不動産会社1社、情報誌会社)に内容証明送っても音沙汰なし、情報誌会社からは受け取り拒否(受取拒否をしても到達したものと見なされる)までされる始末。
内容証明送っても音沙汰なしなんてひどすぎます。
そういう会社は少額裁判で提訴して下さい。これくらいの裁判は本人訴訟なら実費2000円+切手代いくばくしかかからないから簡単です。裁判は一般公開が原則ですから実名表記でブログ記事にすればいいですよ。
韓国のマスコミとの交渉もブログ記事にしてもらえたら読ませてもらいます。