秋を見つけに、白川郷へ行ったら…
長野県の松本から、梓川にそって車を走らせれば、標高があがるにつれて山は紅葉に包まれる。
緑色の梓川と紅葉の対比が美しい。
日本アルプスを越えて、高山を過ぎると、紅葉はますます輝きを増してくる。あのトンネルの向こうはさらに美しい光景が広がっているのだろうか。
期待に胸を膨らませてハンドルをきる。
世界遺産の白川郷に到着。
しかしこのあたりは紅葉はそれほど赤くなかった。というか、紅葉というよりも枯れた葉っぱが目立つといったかんじだ。
柿がたわわになっていて秋らしさを感じさせてくれるし、すすきが風に吹かれているけど、背景の山の色づき具合は少々ものたりない。
土地の人に聞いたら、この辺は10月下旬から11月上旬が紅葉の見ごろでまだ時期が早いことと、今年は雨が少ないので紅葉になる前に葉が枯れていることとで、色づきがよくないという。今年の東京は雨が多かったのに、こちらは雨が少なかったのか。
それどころか、村の田んぼが新緑の苗で輝いているではないか。
もしかして今は6月か?
と見まごうばかりの瑞々しい田んぼの姿。 秋も終わりだというのに二毛作でもしているのだろうか。そんな莫迦なと思ってこれも村人に尋ねると、あれは稲刈りが終わった後の切り株から勝手に生えたものでもちろん二毛作をしているのではないとのことだった。
9月に稲刈りをして、それから1ヶ月もすると切り株から芽がでてくるどころか花も咲く。そのうち秋も深まると、翌年のために土をトラクターで耕すからこれ以上は育たないし、収穫ができるわけではない。この作業を「秋おこし」というそうだ。
米農家なら当たり前のことかもしれないが、ぼくはそんなことも知らなかった。この新緑もまた秋の姿なのだなあ。と感心するのだった。
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