【ガルンガン】バリ人が先祖の霊を迎える日を旅人はこうして過ごす
ガルンガンの前日に食べる料理のラワールはたくさんの量が作られる。だから今日もラワールをいただいた。
ランチの後は町の様子を探検に出かけた。
通りにペンジョールが並ぶ光景がいかにもバリ島らしい。以前なら、ガルンガンの日はすべての店が閉まっていたものだったが、最近はわりと雑貨店も料理店も開いている。コーヒーを飲める店を探そう。
ガルンガンの午後 その1
この時期、道を歩けば必ず目にするのが軍鶏。
ふだんからあちこちにいるのだが、祭りが近づくと特に多くなってくる。やっぱり闘鶏は祭りの華。
そういえば今年は、ガルンガン〜クニンガンの祭礼が終わるとすぐにニュピがある。
いくつもの祭礼が重なるとは、大変なものだ。
バリ島のお祭りと言えば華やかなものと決まっているが、ニュピは別。「一切何もしないで静かに過ごす日」だから、電気も火も使えない。外出も出来ない。もちろん車は走れない。だから村はとても静か。昼だというのに、夜のように静寂につつまれる一日。それでもニワトリの声は響き渡っている筈だ。
ガルンガンの午後 その2 ランダ登場
ガルンガンの当日、バリ人は村の寺や自分の家の寺など数カ所にお参りを重ねたり、親族へご挨拶回りしてていて結構かなり忙しい。しかし、単なる旅人であるぼくはこれといってすることもないので、いつものようにのんびりと蒸し暑い午後を過ごした。
日が陰った頃に善なる神さまバロンのジャランジャラン(散歩)が始まると聞いて、辻道で夕涼みをしながら楽しみに待っていることにした。ここは精霊の通り道でもあることから早朝からお供えがいっぱいされていた場所。目には見えないたくさんの精霊たちと共にバロンを待っていると、やってきたやってきた。しかしそれは魔女ランダだった。恐怖の神さま、悪の化身、恐ろしい魔女、などと言われるランダである。
見れば見るほどランダは恐ろしい顔をしている。何しろ恐怖の神さまだからね。しかし髪の毛には花がいっぱいついていて、意外にかわいらしいところがあるのかも。いやそんなことないか。
ところでニュピは明後日でした。
今日は事前の儀式が始まる日で本番はまだ先だった。
ガルンガンの午後 その3 バロン登場
ランダが通り過ぎると共に、人々の群れも行ってしまい、再び静かな空間に佇んでいるぼくである。といっても遠くからは何かの楽器の音や、犬の遠吠えが聞こえてくるから、静寂につつまれるというほどでもない。バリ島で、何の音もしない時間があるだろうか。虫の音や鶏の鳴き声は必ず響いているから、意外なほど騒々しいというか活気がある島なのだから。
日が落ちると、犬や鶏の鳴き声の合間にバレガンジュール(移動ガムラン隊)の音が聞こえてきた。いよいよ聖なるバロンの登場だ。善の神さまは、この島では獣の姿をしている。ふだんはお寺の奥でその身体を休ませているが、こうして祭りの時には大勢のお供を連れて姿を現す。買ったばかりのスピードライトSB900を着けたD7000を構えてぼくは、遠慮がちにバロンの前に立った。
ガルンガンの午後 その4 夜のとばり
すっかり日が落ちて、あたりは真っ暗。
善なる神さまバロンは他にも何体か現れて、村のメインストリートに集結していた。神々が集まって何をされるかというとジャランジャラン(散歩)である。みんなで一緒にあちらの寺、こちらの寺を巡っている。こういうとき、神々は何を思ってジャランジャランされているのだろう。
村人たちは、いつまでも祭りの夜を楽しんでいる。
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